100F57

56歳の男性。呼吸困難を伴う意識障害のため救急車で搬入された。庭木の手入れ中、蜂に刺され、数分後に倒れた。意識は混濁している。体温37.2℃。脈拍120/分、整。血圧76/48mmHg。胸部に軽度の喘鳴を聴取する。両手背に蜂の刺し傷、発赤および腫脹を認める。
最初に行う治療はどれか。
輸液
酸素吸入
アドレナリンの筋肉内注射
抗ヒスタミン薬の静脈注射
副腎皮質ステロイド薬の静脈注射

解答: c

100F57の解説

呼吸困難を伴う意識障害のため救急車で搬入された56歳の男性。庭木の手入れ中、蜂に刺され、数分後に倒れた。血圧76/48mmHgとショックバイタルであり、胸部に軽度の喘鳴を聴取すること、両手背に蜂の刺し傷、発赤および腫脹を認めることから蜂に刺されたことによるアナフィラキシーショックが考えられる。
a 血圧が低下しており細胞外液の輸液は必要だが、状態の改善に直結するのはアレルギー反応の抑制である。
b アナフィラキシーショック時には十分な酸素を投与する必要がある。しかしそれでは治療に直結しないためcの選択肢を優先する。
c 正しい。アドレナリンの筋肉内注射が有用だ(大腿外側部へ行うことが多い)。
d 抗ヒスタミン薬の静脈注射もI型アレルギー反応の抑制に効果があるが、ショック状態の場合には、まず即効性のあるアドレナリンの筋肉内注射を行う。
e 副腎皮質ステロイド薬は即効性は無いが、遅発症状を予防する効果があるため投与する。ただしショック状態の場合にはまずアドレナリンの筋肉内注射である。
※出題時、cの選択肢は「皮下注射」であった。しかし、現在の1stは筋肉内注射であるため、選択肢を改変している。109H11も参照のこと。

正答率:74%

テーマ:アナフィラキシーショックの治療

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし