100I36

20歳の男性。発熱と咽頭痛とを主訴に来院した。7日前から38℃の発熱、咽頭痛および全身倦怠感が出現し、近医にてかぜと診断され治療を受けたが軽快しなかった。咽頭の発赤、扁桃の発赤・腫脹および頸部・腋窩リンパ節腫脹を認める。胸部に発疹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。脾を触知する。血液所見:赤血球470万、白血球12,000(桿状核好中球6%、分葉核好中球20%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球55%、異型リンパ球12%)、血小板38万。血清生化学所見:クレアチニン0.6mg/dL、AST 260U/L、ALT 310U/L、ALP 210U/L(基準260以下)、LD 670U/L(基準176~353)。CRP 7.6mg/dL。
この患者に投与してはならないのはどれか。
アスピリン
アンピシリン
プレドニゾロン
エリスロマイシン
アセトアミノフェン

解答: b

100I36の解説

20歳男性が発熱と咽頭痛とを主訴に来院した。扁桃の発赤、腫脹に加え白血球とCRPとが上昇しており感染症を考える。加えて、脾腫を認め、異型リンパ球を認めることから伝染性単核球症と診断する。肝機能上昇や皮疹もこれを裏付ける。
a 解熱作用を有するため対症的に使用してもよい。
b 正しい。アンピシリンを含むペニシリン系薬剤を伝染性単核球症患者に投与すると、皮疹を生じることがある。
c プレドニゾロンはステロイドであり、上気道の炎症が強い場合に投与する。
d 皮疹を避けるため、マクロライド系の抗菌薬を投与する。
e 解熱作用を期待し対症療法的に投与してもよいが、アセトアミノフェンは肝代謝のため、肝機能に注意する。

正答率:63%

テーマ:伝染性単核球症〈伝染性単核症〉〈IM〉で投与してはいけない薬剤

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし