100I31

47歳の男性。意識消失を主訴に来院した。3年前から2、3か月に1度、空腹時に冷汗と脱力感とをきたす発作があった。食事をすると症状は改善する。1年前からは発作の頻度が増し、発作の時に呼び掛けに応答しないこともある。脈拍76/分、整。血圧142/82mmHg。血清生化学所見:空腹時血糖30mg/dL、総蛋白7.6g/dL、尿素窒素12mg/dL、総コレステロール192mg/dL、AST 28U/L、ALT 22U/L、Na 142mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 102mEq/L、Ca 8.6mg/dL。
この疾患でみられるのはどれか。
肥満
起立性低血圧
上腹部痛
水様下痢
徐脈発作

解答: a

100I31の解説

中年男性の意識消失。(1)空腹時に冷汗と脱力感とをきたす発作、(2)食事をすると症状は改善、(3)空腹時血糖30mg/dL、とWhippleの3徴がみられている。インスリノーマやインスリン自己免疫症候群を疑う(本問の記載だけから確定診断はつかない)。
a 正しい。2〜3か月に1度の低血糖発作がみられており、こうした患者では一般に発作を恐れて食事摂取量が増える傾向にある。これにより肥満をみる。
b 起立性低血圧による意識消失ではない。
c 糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉では上腹部痛をみることがある。
d ガストリノーマやVIPomaでは水様下痢をみる。
e 洞不全症候群〈SSS〉や房室ブロック〈AVB〉では徐脈発作をみる。

正答率:61%

テーマ:インスリノーマの症状

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