100H20

58歳の男性。肝硬変で通院中、腹部超音波検査で中等量の腹水と肝右葉の直径2cmの肝細胞癌とが発見され入院した。血液所見:赤血球403万、Hb 11.8g/dL、白血球3,200、血小板4.8万、プロトロンビン時間35%(基準80~120)。血清生化学所見:総蛋白5.3g/dL、アルブミン2.7g/dL、総ビリルビン4.2mg/dL、直接ビリルビン2.6mg/dL、AST 53U/L、ALT 45U/L。HCV抗体陽性。1か月前に施行したICG試験(15分値)は42%(基準10以下)であった。
最も良い治療予後を期待できるのはどれか。
放射線治療
ラジオ波焼灼
肝動脈塞栓術
肝切除
肝移植

解答: e

100H20の解説

肝細胞癌〈HCC〉に対する治療法の選択。脳症の記載なし(1点)、腹水中等量(3点)、血清ビリルビン値4.2mg/dL(3点)、血清アルブミン値2.7g/dL(3点)、プロトロンビン時間35%(3点)とChild-Pugh分類では13点でCと判定される。
a 一般に放射線治療をHCCの第一選択とすることはない。
b〜d これらはChild-Pugh分類Cでは適応とならない。
e 正しい。年齢が65歳以下であり、ミラノ基準(今回の場合は単発で5cm以下;脈管浸潤と肝外転移については記載ないもそこは空気を読んで無いものとみなそう)も満たすため、移植可能と考えられる。

正答率:69%

テーマ:肝細胞癌〈HCC〉の治療

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