100H17

62歳の男性。1週前からの左眼の視力低下を主訴に来院した。視力は右1.0(矯正不能)、左0.02(矯正不能)。瞳孔径に左右差はなく、直像鏡検査で左眼は眼底の透見が不能である。右眼の眼底には異常を認めない。
考えられる疾患はどれか。2つ選べ
白内障
硝子体出血
外傷性視神経症
網膜中心動脈閉塞症
原発閉塞隅角緑内障

解答: a,b

100H17の解説

1週前から生じるような、水晶体・硝子体の混濁を考える。
a 正しい。1週前からということを加味するとやや考えにくいが、後嚢下白内障は急激に進むことがあり、急性発症のような訴えとなることもある。
b 正しい。新生血管の破綻や網膜裂孔によって硝子体出血が生じると本症例のような経過をたどる。
c 眉毛部外側を含む外傷歴の記載がなく、もしあったとしても視神経症の場合、対光反射が減弱・消失するので瞳孔径に左右差がでることが多い。また、通常は合併症がなければ眼底は透見できるはずである。
d 眼底は透見できるはずである。
e 高眼圧により角膜が混濁していて眼底が透見できない可能性はあるが、それほどの高眼圧であれば散瞳していて瞳孔径の左右差があるはずである。

正答率:81%

テーマ:眼底透見不可能をきたす疾患

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