100H11

34歳の女性。自然流産を4回繰り返したため来院した。月経は28日周期、整。経血量は中等量で、月経随伴症状はない。内診で子宮は前屈、ほぼ正常大であり、両側付属器は触れない。基礎体温は2相性で、高温持続期間は14日。黄体期7日目の血中プロゲステロン13.4ng/mL(基準黄体期中期5.7~28.0)。夫の精液所見は正常。抗核抗体と抗リン脂質抗体とは陰性。染色体検査は夫婦ともに正常。子宮卵管造影写真を別に示す。
この患者の治療として適切なのはどれか。
子宮頸管縫縮術
子宮筋腫核出術
子宮形成術
単純子宮全摘出術
卵管形成術

解答: c

100H11の解説

自然流産を4回繰り返し習慣流産となっている34歳の女性である。子宮卵管造影写真にて子宮内中隔が存在し、両子宮腔のなす角度が90度以下と鋭角であることから不全中隔子宮(子宮奇形)の診断となる。
a 子宮頸管縫縮術は頸管無力症に対する治療であり、本例とは臨床像が異なる。
b 子宮腔内に明らかな筋腫は認めず、核出術は不適である。
c 正しい。子宮奇形に対して子宮形成術を行う。
d 挙児希望のない場合には考慮させるが、本例では妊娠を目的としていることから適応とならない。
e 卵管は問題なく描出されており、形成術は必要ない。

正答率:92%

テーマ:不全中隔子宮(子宮奇形)の治療

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