100F55

3歳の男児。運動障害を主訴に来院した。乳児期からおむつに赤褐色粉末状結晶をみることが多かった。1歳ころから、つかまり立ちができなくなり、お坐りもできなくなってしまった。その後、舞踏病・アテトーゼ様運動が次第に強く出現するようになってきた。内反尖足傾向となり臥位姿勢となった。知的にも退行がみられるようになった。最近、自分自身の口唇や指を強くかむことが多くなり、出血と瘢痕化とを繰り返している。尿所見:蛋白(-)、潜血2+、沈渣に赤血球20~30/1視野。血清生化学所見:尿素窒素22mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、尿酸9.3mg/dL。
考えられる疾患はどれか。
Hurler症候群
Lesch-Nyhan症候群
Tay-Sachs病
フェニルケトン尿症
メープルシロップ尿症

解答: b

100F55の解説

運動障害のある3歳の男児である。舞踏病・アテトーゼ様運動が出現し、知的にも退行がみられている。尿酸9.3mg/dlと高値であり、おむつの赤褐色粉末状結晶は尿酸結晶であると分かる。自分自身の口唇や指を強くかんだりと自傷行為と伴っており、Lesch-Nyhan症候群の診断となる。
a Hurler症候群は先天性のムコ多糖代謝異常症であるが、特異的顔貌などもなく否定的。
b 正しい。上記の通り。
c Tay-Sachs病は乳児期より発症することが多く、自傷行為はきたさない。
d・e 新生児期より発症することが多く、尿所見に異常はない本例では考えにくい。 

正答率:87%

テーマ:Lesch-Nyhan症候群の診断

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