100A56

4歳の女児。低身長と腹部膨満とを主訴に来院した。新生児期には、夜間に頻回の哺乳を必要とし、最近は空腹を訴えることが多い。精神運動発達は正常である。低身長(-4SD)と肝腫大とを認める。血清生化学所見:空腹時血糖35mg/dL、尿酸11mg/dL、トリグリセライド1,015mg/dL、乳酸85mg/dL(基準5~20)。
考えられるのはどれか。
ケトン性低血糖症
ムコ多糖症III型
下垂体性小人症
1型糖尿病
糖原病I型

解答: e

100A56の解説

4歳女児の低身長と腹部膨満(肝腫大)。低血糖、高尿酸血症、高トリグリセリド血症、高乳酸血症、といったキーワードからは糖原病I型〈von Gierke病〉を思い浮かべたい。
a ケトン性低血糖症では低血糖とケトン体陽性をみるも、尿酸や乳酸・トリグリセリドに変化はみない。
b ムコ多糖症III型では低身長をみない(とのことだが、正直この病態は本項執筆者も覚えていない。レア疾患であるため意欲的な方を除いてスルーでよいと思われる)。
c 下垂体性小人症では下垂体ホルモンの低下をみるも、尿酸や乳酸・トリグリセリドに変化はみない。
d 1型糖尿病ではむしろ高血糖となる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:82%

テーマ:糖原病の診断

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