100A39

41歳の男性。3週前に生体腎移植を受けた。術後経過は順調であったが2日前から軽度の発熱と移植腎部の疼痛とが出現し、尿量が減少した。意識は清明。体温37.4℃。血圧150/90mmHg。24時間尿量800ml。血清生化学所見:尿素窒素30mg/dL、クレアチニン2.1mg/dL、Na 134mEq/L、K 5.0mEq/L、Cl 97mEq/L。胸部エックス線写真に異常を認めない。腹部超音波ドプラ検査で移植腎の腫大と腎血流の減少とを認める。腎盂腎杯の拡張像は認めない。
考えられるのはどれか。
超急性拒絶反応
急性拒絶反応
慢性拒絶反応
糸球体腎炎
GVHD

解答: b

100A39の解説

生体腎移植3週後の移植腎の腫大と腎血流の減少。拒絶反応が考えやすい。
a 超急性拒絶反応は移植後24時間以内にみられる。
b 正しい。急性拒絶反応は移植後3か月以内にみられる。腎は腫大する。
c 慢性拒絶反応は移植後3か月以降にみられる。腎は萎縮する。
d 糸球体腎炎は腎移植と関係がない。
e GVHDは移植された臓器が体内の別臓器を攻撃する病態である。本患者では移植した臓器そのものが攻撃されており、方向性が逆。

正答率:84%

テーマ:腎移植・急性拒絶反応の診断

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