100A37

22歳の男性。発熱と頸部リンパ節腫脹とを主訴に来院した。1か月前から37℃台の発熱が出現し、2週前に左頸部のしこりに気付いた。意識は清明。体温38.2℃。左頸部と鎖骨上窩とに径1.5cmのリンパ節を3個、左腋窩に径1cmのリンパ節を2個、左鼠径部に径1.5cmのリンパ節を1個触知する。血液所見:赤沈45mm/1時間、赤血球370万、Hb 11.2g/dL、Ht 35%、白血球6,400。血清生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.0g/dL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL、尿酸7.7mg/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、AST 33U/L、ALT 45U/L、LD 440U/L(基準176~353)、ALP 330U/L(基準260以下)。頸部リンパ節生検H-E染色標本を別に示す。
この患者の治療として最も適切なのはどれか。
抗体療法
放射線治療
抗ウイルス薬投与
多剤併用化学療法
非ステロイド性抗炎症薬投与

解答: d

100A37の解説

若年男性の発熱と頸部リンパ節腫脹。リンパ節触知に関する記載が多く、画像ではHodgkin細胞とReed-Sternberg細胞とが同定できる。Hodgkinリンパ腫の診断。横隔膜の上下をまたいでおり、Stage III以上である。
a リツキシマブ(抗CD20モノクローナル抗体療法)や免疫グロブリン大量療法などを指す。Hodgkinリンパ腫には用いない。
b 放射線治療はStage II以下で主に用いられる。
c 抗ウイルス薬投与はウイルス感染に用いる。
d 正しい。多剤併用化学療法がStage III以上での第一選択となる。
e 非ステロイド性抗炎症薬投与は消炎鎮痛薬として用いる。

正答率:89%

テーマ:Hodgkinリンパ腫の治療

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