100A34

28歳の男性。交通事故を起こし救急車で搬入された。30分前、車を運転中に前の車に追突し、ハンドルで上腹部を打撲した。意識は清明。呼吸数18/分。脈拍120/分、整。血圧110/78mmHg。右上腹部に軽度の圧痛を認めるが反跳痛はない。血液所見:赤血球312万、Hb 11.2g/dL、Ht 34%、白血球8,900。血清生化学所見:AST 82U/L、ALT 78U/L、LD 410U/L(基準176~353)、ALP 280U/L(基準260以下)、アミラーゼ90U/L(基準37~160)。腹部造影CTを別に示す。
静脈路確保の後、行うのはどれか。
プロトンポンプ阻害薬投与
利尿薬投与
肝庇護薬投与
上部消化管造影
選択的腹腔動脈造影

解答: e

100A34の解説

車の追突事故を起こし救急車で搬入された28歳男性。ハンドルで上腹部を打撲している。血液検査では短時間でHb 11.2g/dlと貧血が進行している。AST、ALT、LDH、ALPの上昇を認めており肝損傷の可能性が示唆される。画像では造影剤が血管外に漏出している他、肝右葉に低吸収域を認め肝損傷と考えられる。また腹腔内出血もみられる。
a プロトンポンプ阻害薬は胃潰瘍や逆流性食道炎の治療薬であり、肝損傷、腹腔内出血の治療とはならない。
b 利尿薬は心不全など体液貯留に対して用いられる。本症例では脈拍が増加しており、血圧はと保たれているが今後出血性ショックへ移行する可能性が考えられる。その状況で利尿を投与すると静脈還流量を低下させ、更に病態が悪化する危険がある。
c 肝庇護薬は肝炎などによる肝機能障害で用いられる薬であり、外傷による肝機能障害には適さない。
d 肝損傷、および腹腔動脈出血が疑われており、上部消化管造影の意義はない。
e 正しい。経カテーテル的に腹腔動脈を造影し、出血がある場合はそのまま塞栓術を行う。

正答率:88%

テーマ:交通外傷・腹腔内出血への対応

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