100A18

24歳の女性。発熱、咳および倦怠感を主訴に来院した。基礎疾患はなく、ペットは飼っていない。最近の旅行歴もない。職場に同じ症状を先に示した同僚が2人いた。10日前から38.5℃の発熱、咳および倦怠感が出現した。気管支炎と診断されてペニシリン系抗菌薬が4日間、次いでセフェム系抗菌薬が4日間投与されたが発熱は持続し、喀痰は少ないものの咳が増強してきた。胸背部皮膚に散在する小紅斑を認める。血液所見:赤沈52mm/1時間、赤血球413万、Hb 12.0g/dL、白血球5,200、血小板20万。血清生化学所見:AST 60U/L、ALT 72U/L。CRP 6.2mg/dL。胸部エックス線写真を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
肺結核
オウム病
肺炎球菌肺炎
マイコプラズマ肺炎
ニューモシスチス肺炎

解答: d

100A18の解説

24歳女性が発熱、咳および倦怠感を主訴に来院した。職場に同じ症状を先に示した同僚が2人おり、胸部エックス線では右中葉に浸潤影を認めることから肺炎を疑う。皮疹と肝機能障害を認めること、ペニシリン系とセフェム系抗菌薬が無効であること、白血球が正常であることからマイコプラズマ肺炎を疑う。
a 迷うとすれば本選択肢であろう。10日前からの比較的急性発症であり、健康な若年者であることから、dの方がより考えやすい。
b オウム病はトリの接触歴が重要であり、本症例のようにペットの飼育歴がなければ積極的に考えるものではない。むろん、諸君が臨床に出た後は「トリの飼育歴」を自発的に聴取するスキルが求められることは言うまでもない。
c 肺炎球菌肺炎であればペニシリン系やセフェム系が有効であり、白血球も好中球優位に増加する。
d 正しい。上記の通り。
e ニューモシスチス肺炎は日和見感染の1つであるため基礎疾患のない若年者には考えにくい。

正答率:82%

テーマ:マイコプラズマ肺炎の診断

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