100A16

65歳の女性。咳と背部痛とを主訴に来院した。1年前から咳と背部痛とが出現し、近医で内服薬を処方されたが、症状が改善していない。夫は30年にわたり断熱材工場に勤務していた。身長156cm、体重53kg。体温36.6℃。呼吸数16/分。脈拍92/分、整。血圧118/80mmHg。左下肺野の呼吸音は減弱している。胸部エックス線写真(A)と胸部造影CT(B)とを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
肺癌
胸腺腫
肺結核
縦隔奇形腫
胸膜中皮腫

解答: e

100A16の解説

咳と背部痛とを主訴とする65歳女性。夫は30年にわたり断熱材工場に勤務していたことからアスベスト曝露が示唆される。胸部エックス線写真(A)では左肺で胸膜肥厚を顕著に認め、胸部造影CT(B)では同部位に胸膜肥厚を認める。悪性胸膜中皮腫が最も考えられる。
a 肺癌では腫瘤影を認めるはず。
b 胸腺腫は一般に前縦隔に発症する。
c 肺結核では空洞形成を伴う肺野異常陰影を認めるはず。
d 縦隔奇形腫は主に前縦隔に発症する。
e 正しい。胸膜中皮腫はアスベストの曝露が関連する。

正答率:97%

テーマ:胸膜中皮腫の診断

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