この症例でプロラクチンが上昇してるのは何故ですか?
下垂体の炎症ならプロラクチンは下がるはずです。視床下部まで炎症が波及して視床下部性の下垂体機能低下も起こしているからでしょうか…
確かにTSHも下がっていて視床下部もやられてそうですが、抗サイログロブリン抗体陽性であり、ホルモンの流れがあまりよくわからないです。
誰か詳しい方いらっしゃったら教えてください。よろしくお願いします。
確かに下垂体の炎症・破壊なら、そこで本来なら産生されるはずのホルモンは分泌不全となると予想されます。
TSHやその他の前葉由来のホルモンが低値(〜正常)なのは炎症に伴う分泌不全と言えるのではないでしょうか。
ところがご質問にあるようにこの説明だと足りないのが前葉由来のはずのプロラクチンの高値です。
参考文献内では、腫瘤による物理的な圧迫によるせいだと説明しています。本問でも画像上大きな腫瘤がありますから、これがトリガーとなって炎症による分泌不全を上回るほどのプロラクチンを出させているのではないでしょうか。
抗サイログロブリン抗体の高値は、リンパ球性下垂体炎の内、特に前葉炎によく見られる所見のようです。
リンパ球性下垂体前葉炎のうち11%で乳汁分泌不全が見られるのと同時に、23%で高プロラクチン血症が見られるらしいのでなんだか不思議な疾患ですね。
どうしてプロラクチンに限定して上昇しやすいのかは調べた限りよく分かりませんでした。
参考文献のpdfがとてもわかりやすくまとまっているので、是非読んでみてください。
あまり答えになったか分かりませんが、ご参考までにしてみてください。
【参考文献】
medicina 2016/12月号
https://researchmap.jp/?action=cv_download_main&upload_id=121946
ご丁寧にありがとうございます。
普通に考えればプロラクチンは下がるはずなのに2つのタイプがあるのは不思議ですね
pdf読まさせていただきます。ありがとうございました。
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