解決済 104F25 24.公衆衛生

検査後確率の扱い方

この問題の答えがどうしてcになるのかわかりません。
解説の通り、検査前確率を20%とすると検査後確率は検査A→11%、検査B→71%となります。
この場合、検査後確率は二つの平均をとるのでしょうか。
よろしくお願いします。

回答9件

  • この問題は検査A、検査B両方行っているという問題だと思います。
    検査Aは陰性で検査Bは陽性であった場合の検査後確率は

    検査Aの陰性尤度比:(1-感度)/特異度=1/1.9
    検査Bの陽性尤度比:感度/(1-特異度)=10
    それぞれかけると
    10×1/1.9≒5.26>1 よって検査前オッズが0でない限り、検査後オッズは検査前オッズより大きくなる

    以上よりこの問題では、検査前と比較した検査後の疾患を有する確率は大きくなる(c)が正解となります。

    • ご回答ありがとうございます。
      検査を複数行った時は尤度比を掛け合わせたらよいのですね!
      確率の基本的な考え方がわかっていなかったようです。納得いたしました。

  • フォロー外から失礼します。
    この問題の検査Aと検査Bは独立した検査であると考える(2つの異なる検査といってあるので)と、ベイズの定理を用いることが可能になります。
    ベイズの定理では、先に行った検査の検査後確率を次に行う検査の検査前確率として用いることかできます。
    上記の質問であるように別々の検査後確率を求める必要はなく、連続したものとして計算できるので、2つの検査後確率の平均をとらなくてもよいと考えます。
    以下に問題の計算をしてみたものです。(申し訳ないのですが、3.5倍増加になっていません。わかる方がいましたら僕にも教えてください。)
    (検査前確率を20%とした場合)
    検査Aの陰性尤度比=(1-特異度)/感度=10/19  ―――①
    検査Bの陽性尤度比=特異度/(1-感度)=10     ―――②
    検査前オッズ=検査前確率/(1-検査前確率)=1/4 ―――③
    ①~③より
    検査後オッズ=検査Aの陰性尤度比×検査Bの陽性尤度比×検査前オッズ
          =100/76               ―――④
    ④より
    検査後確率=検査後オッズ/(1+検査後オッズ)
         =100/176
         ≒56.8%
    したがって、検査前確率を20%とした場合の検査後確率は56.8%となり、検査前と比較した検査後の疾患を有する確率は大きくなる □

    • ご回答ありがとうございます。
      検査を複数行った時の計算方法を知らなかったので勉強になりました。

      3.5倍というのはおそらく単純に「一つの検査が陽性の時の検査後確率」の話だと思います。
      (自分の計算がそうなりました)

      話が逸れますが、これはつまり同じ検査を二回行って一回でも陽性になれば
      検査後確率が2倍以上になるということですよね。
      医療費を減らしたいはずの国がこういう問題を出すのが少し意外です。

  • すでに議論されたあとですが、結局のところ、感度50%の検査は偽陰性の数もかなり多いため、Aで陰性でも信頼性に欠けるが、特異度95%の検査は偽陽性が限りなく少ないため、Bで陽性であればかなりその信頼性は高く、検査後確率も高くなる、という解釈でよろしいのでしょうか?

    • その解釈だと問題の設定が変わると対応できないかもしれない(感度、特異度が変わったり、陽性2回、陰性1回など)ので尤度比を計算する方がベターだと思います。
      オーバーワークであれば解釈としては、
      感度と特異度が50%以上で陽性と陰性1回ずつ出た場合、
      感度の方が高い→検査後確率は下がる
      特異度の方が高い→検査後確率は上がる
      が正しいと思います。感度と特異度の比較が大事なので感度と特異度を独立に解釈するのはmisleadになる場合があるかもしれない、と感じました

  • なるほど、確かにこの設定に限定した話になってしまっていました。
    素直に尤度比を計算しようと思います、ありがとうございました!

  • 陰性尤度比は偽陰性/特異度であり、低いほうがいいですよね。
    陽性尤度比は感度/偽陽性であり、高いほうがいいですよね。
    それを掛け合わせて、その値が高いほうがその疾患らしいというのがちょっと腑に落ちないのですが、、。

    • 年単位での返信で申し訳ありませんが、個人的な整理メモを提出させていただきます。

      ・尤度比について
      ①(陽性/陰性)尤度比は、「(陽性/陰性)であった時に、検査結果のない時と比べどれくらい疾患にかかっていそうか示す、倍率指標」です。
      感覚的には「どれくらい検査結果通りになりそうか」と言い換えてもいいかもしれません。
      ですので、確かに良し悪しで言えば「陽性は高いほど、陰性は低いほど、その検査結果の通りになる=良い」です。
      ②現実の(陽性/陰性)尤度比は、それぞれ( 1より大きい値 / 1未満0より大きい値 )となります。
      感度特異度は0%にも100%にもならず、また少なくともどちらかは高いものが検査として採用されるという前提が大きいですね。
      ROC曲線も参照すると納得していただけると思います。
      ※片方でも0%になるような検査は無意味なので採用されないし、100%になったうえで採用されるような夢の検査はない。また「どちらも50%」のように中途半端な検査はコインの裏表と同レベルになって採用されない。

      ・尤度比の掛け合わせについて
      ぶっちゃけてしまえば、同一の患者さんに複数検査をして陰陽入り乱れると困るっちゃ困りますよね。
      それでも、残念ながら感度特異度100%の魔法のような検査がないので、「いくつかの検査結果が異なる場合の判定をどう考えるか」となります。
      上で述べたように、尤度比は陰陽どちらも「検査前と比べかかっていそうかを示す倍率」です。
      ゆえに、_検査結果が出たという事実に基づいてその都度かけ合わせが可能_で、かつ最終的に値が前より高ければその疾患らしい、となります。
      陰性尤度比(だいたい1~0)によって、_陰性であった結果が出た時_、掛けることで元よりも「その疾患であるらしさ」が低くなります。
      また、陽性尤度比(大概1より大きい)によって、_陽性であった結果が出た時_、掛けることで元よりも「その疾患であるらしさ」が高くなるというわけです。

      ・この問題について
      既に皆さまの返信でも触れられていますが、これは「同じ患者に検査を複数回行った際の、総合的な検査後確率をどう考えるか」という問題です。
      ①感度50%特異度95%と、「陽性の人は半分とりこぼすけれど、その分間違って陰性の人に陽性判定は出しにくいよ」という検査を二回行いました。
      ②結果が「陽性/陰性一回ずつ」であったため、陽性/陰性尤度比をどちらも一回ずつ掛け合わせました。
      ③陰性結果によってその疾患らしさはいくらか落ちたものの、陽性結果によってそれ以上にその疾患らしさが上がりました。
      →解答はCとなります。

      ・余談
      実際、尤度比についてピンとくる前ですと感度特異度から考えたくなりますよね。
      以前は雑な思考で、「特異度高い検査で陽性出たらだいぶ信憑性高いんでなかったかしら」「感度が高いものは陰性だったら除外診断に有用って話だったような」などの断片的な知識から解いていました。
      感覚的なものが当たってれば幸いで済みますが、生憎そうはいかないもので、計算問題の数字ミスを多発。
      尤度比が検査結果の解釈を一般化した指標である以上、一度納得すると「結局これが一番早いな」となりましたとさ。

コメントを投稿する

ログインするとコメントを投稿することができます。

  • 問題参照 104F25

    受診した患者にある疾患を疑い、2つの異なる検査Aと検査Bとを施行した。結果は検査Aが陰性、検査Bが陽性であった。いずれの検査も感度50%、特異度95%である。
    検査前と比較した検査後の疾患を有する確率として正しいのはどれか。
    • a 小さくなる。
    • b 変化しない。
    • c 大きくなる。
    • d 大きくなる場合と小さくなる場合がある。
    • e 予測ができなくなる。
  • 関連トピック

    なし