解決済 - 09.肝胆膵

肝切除の適応について

95G27では肝障害度がCではないと思うのですがどうして手術適応がないのか教えて頂きたいです。
門脈閉塞がない時点で手術適応はないのでしょうか。
宜しくお願い致します。

回答1件

  • 95G27
    63歳の女性。全身倦怠感と上腹部不快感とを訴えて来院した。右肋骨弓下に肝を3cm触知する。血液所見:赤血球352万、白血球2,500、血小板12万。血清生化学所見:総蛋白7.1g/dL、アルブミン2.8g/dL、総ビリルビン2.4mg/dL、AST 84単位、ALT 48単位。AFP 169ng/mL(基準20以下)、CEA 3.7ng/mL(基準5以下)。ICG試験(15分値)24%(基準10以下)。HBs抗原陰性、HCV抗体陽性。腹部単純CTを次に示す(画像省略)。また、経動脈性門脈造影で門脈本幹の閉塞がみられた。
    最も適切な治療法はどれか。

    a エタノール局所注入療法
    b 肝動脈塞栓療法
    c 経肝動脈抗癌薬注入療法
    d 経皮的マイクロ波凝固療法
    e 肝右葉切除術

    本問では与えられている情報が『腹水なし(A)』『Alb 2.8(C)』『Bil 2.4(B)』『ICG15分値 24(B)』のみなので、厳密には肝障害度は確定できないかと思います。PT(%)<50なら肝障害度C、>50なら肝障害度Bとなります。

    画像より腫瘍は2つ存在するので、肝切除の適応となるのでは?と思ったのですが、『イヤーノート2018』B-57「肝切除の適応と切除可能範囲についてのアルゴリズム」によると、Bil>2.0の時点で手術適応がないようです。仮にBilが正常だったとしても、ICG15分値が20~29%では、亜区域切除or1/6切除となるそうです。
    すなわち、残存肝機能が低下している状態での右葉切除は「切りすぎ」なので、不適になるのではないかと考えました。
    ただ、上記のアルゴリズムが1987年の文献から引用されていること、本問が15年以上前の問題であることより、現代では肝切除の適応がないとは言い切れません…(お詳しい方ぜひご教授下さいm(__)m)

    少なくとも今の国試では、肝障害度を判定し治療アルゴリズムに沿って方針を決める、というのでいいのではないかと思います。
    動注化学療法が正解になる問題をあまり見たことがなかったので、勉強になりました。ありがとうございます!

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