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高プロラクチン血症でドパミン作動薬を使用しても性腺機能低下は増悪させない理由について

高プロラクチン血症ではプロラクチンが増えた結果、負のフィードバックでドパミンが増加します。ドパミンはプロラクチンの抑制だけでなく、GnRHも抑制するため、性腺機能低下が起こり無月経の原因となります。
そこで、高プロラクチン血症の治療で、ドパミン作動薬を使用しますが、この機序だと、性腺機能低下の症状を増悪させるのではないのではないかと思われます。ドパミン作動薬の副作用には性腺機能低下は書いておらず、調べてもわからなかったので、なぜドパミン作動薬を使用しても性腺機能低下の症状が増悪しないかの理由を教えて下さい。
よろしくお願いします。

回答4件

  •  最初に申し訳ないですが、ドパミンが性機能を抑制することは聞いたことがありません。PRLの作用により性腺機能が抑制を受けるということを授業では繰り返し聞いています。その他のPRLの働きとして、乳腺に作用して乳汁分泌を促す働きがあります。以上のことから、生理学には分娩後にPRLが上昇し乳汁分泌と無月経をもたらします。吸啜刺激により一過性に上昇と低下を繰り返す動態を示すのが特徴的です。
     このPRLの働きを抑制するのがドパミンです。例えば、抗精神病薬やクロルプロマジンなどのドパミンを抑制する作用をもつ薬剤により、PRLが上昇し、乳汁分泌、無月経となるわけです。その他甲状腺機能低下症でも、negative f/bによるTRH,TSHの上昇によるPRLの上昇が起こり、高PRLとなります。一方、ドパミンを亢進する作用をもつ薬、いわゆるドパミン作動薬であるブロモクリプチンを使用した場合、上記の機序によりPRLは抑制され、高PRL血症による性腺抑制は改善されます。このことを利用して、プロラクチノーマでは、ブロモクリプチンが第1選択の治療として行なわれています。ご理解の一助になれば幸いです。

    • ご回答ありがとうございます。
      ドパミンが性腺機能抑制をするという根拠となる文献を示すことを怠りすいません。
      「標準産科婦人科学第4版p76」や「病気がみえるvol.3第4版p191」の高プロラクチン血症の項目に書いてあり、「ドパミンの代謝が促進し、視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)分泌が減少し、LHの律動的分泌が消失して卵胞発育が障害される。」や「下垂体からのPRL分泌が過剰になると、乳腺での乳汁産生を刺激し乳汁漏出を起こす。血中PRL濃度の上昇は、視床下部においてPRL抑制因子であるドパミンの産生を促進する。DAはGnRHの脈動的分泌を抑制する。LH・FSHの分泌が低下し性線機能の低下をもたらす。」という記載を元にしています。
      これらの機序を元に考えると余計にドパミン作動薬で性線機能が悪化してしまうのではないかと考えてしまいます。ドパミン作動薬の作用機序が生理的ドパミンと異なるのでしょうか?

  • https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13770918/
    によればgnrh刺激に対して、下垂体のゴナドトロピン産生細胞はドパミンによる抑制を受けないが、
    pacpa刺激に関して抑制を行う旨が書かれています。
    つまりgnrhによる経路に関しては抑制的には働いていないということですが、、、
    まだよくわかっていないのではないでしょうか?ドパミンによるこの話は忘れた方が吉では?学問的には面白いですけれど、、。

    • ご回答ありがとうございます。
      この文献では、「ドーパミンは視床下部GnRHニューロンに抑制的に働き、その為ゴナドトロピンの分泌が抑制されるという報告があるが、ドーパミンの下垂体ゴナドトロピン産生細胞に対する直接作用については不明である」ということから、ドーパミンが直接、下垂体Gn産生細胞にどのように作用しているかを検討したものであり、視床下部GnRHニューロンに抑制的働き、Gnの分泌が抑制されることを否定したものではないと思われます。内容としては、ドーパミンの存在下で、下垂体Gn産生細胞はGnRHの刺激があってもなくてもGnを放出し、PACPAの刺激があるとGnを放出を抑制するため、PACPAの機序で下垂体ゴナドトロピン産生細胞はドーパミンの影響下にあるということを述べているのだと思います。結局のところ、ドーパミンで視床下部のGnRHが抑制されてしまえば、下垂体のGn産生細胞のGn放出も抑制されてしまうことには変わりませんので、やはり疑問は残ってしまいます。

      確かにkenteaさんのおっしゃる通り、まだよくわかっていないのかもしれません。アドバイスありがとうございます。

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