感染性心内膜炎の経験的治療について

究極MAPの循環器の授業内で
「感染性心内膜炎は一刻を争うので、疑ったら血培の結果を待たずに経験的に抗菌薬を投与する」
と説明がありましたが
細菌性髄膜炎、肺炎、菌血症などは細菌培養の結果を待たずして
エンピリックな抗菌薬投与を行うと記憶していたのですが、感染性心内膜炎も同様なのでしょうか

「病気がみえるvol.2 循環器」p.229では心エコーでの疣腫の存在または新規の弁閉鎖不全と血液培養での陽性にて診断確定の後、抗菌薬治療を開始するというフローチャートが記載されています。またエンピリック療法は、血液培養が陰性でも臨床的にIEが疑いが強い場合、心不全・塞栓症ありの場合に行うと限定的な治療法のような記載があります。

当大学の卒業試験で感染性心内膜炎ではエンピリック治療は行わないという問題が出題されていたため
疑問を持ち質問させていただきました。

またエンピリックな抗菌薬治療を行う感染症が他にもありましたら教えていただければ幸いです。

ご回答宜しくお願い致します。

回答2件

  • もし本当にそう書かれていたなら、卒試が間違えてると思います。教授に突撃しましょうw

    こちらのガイドラインをご覧になると良いと思います。(Ⅳ.内科的治療をご参照下さい)
    https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2017_nakatani_d.pdf

    empiric に行くかどうかは全身状態などによります。デメリット(後述)もあるのでケースバイケースです。
    弁膜症で循環動態が不安定な場合や、敗血症性ショックなどですぐに治療介入が必要な場合は当然empiricに行くと思います。そもそもIEは合併症がめちゃんこヘビーなので、培養取れたら抗菌薬いくでしょう。IEの場合、時間を空けて3セット以上血培を採取します。

    デメリットを上げるとすれば、培養結果陰性、起因菌が生えてこない時です。
    IEなど治療が長期間に及ぶ場合、広域抗菌薬をそんなに使うと耐性菌リスクが上がるので、なるべくde-escalationしたいのですが、培養陰性だと菌種も感受性も分からずにde-escalationできません。(抗生剤投与前に培養とるのもそれが理由、後でde-escalationするためです。)

    抗菌薬のempiric therapyは細菌の感染症なら何でもあります。神戸大の岩田健太郎先生が書かれた、抗菌薬の赤い本に色々書いてあるので、是非一度読んでみてください。

  • 国試究極MAPの記載内容は9割くらいが国試で実際に出題されていることですので、medu4.com内でテーマ検索等をするとかなり高確率で元ネタとなった問題がヒットすると思います!
    今回の例は106I42ですね。
    このときの出題は「血液培養の結果はまだ分からない」からの「直ちに開始する治療」が「抗菌薬の投与」でした。

    @なんのかけ
    コメントありがとうございます!

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