「あたらしい公衆衛生」p.220に後期高齢者医療制度の財源について以下の記載があります。
「患者負担は1割*であるが、5割を公費、残り4割を現役世代の保険料より『支援』という形で賄う。
*前年の所得が現役世代並みの場合、3割。」
患者負担1割が3割になることがあるなら残りはどのように分配するのか分からず、引っかかったので調べてみました。
患者負担(1割/3割)を除いた残りの部分が、後期高齢者の保険料(1割)、支援(4割)、公費(5割)によって賄われているのではないでしょうか?
参考したホームページはhttps://www.kenpo.gr.jp/scsk-kenpo/contents/01shikumi/kourei/kouki.htmlです。
その場合、後期高齢者の負担は、窓口負担と保険料ということになりますが、この理解で合っていますか?
よろしくお願いします!
似たような疑問があったので便乗させていただきます。
新しい公衆衛生のp98にある、国民医療費ですが、公費4割、保険料5割、患者負担1割で必ず覚える!とのことですが、ここでの患者負担は現役並所得のない75歳以上に限定されたものなのでしょうか?
普段私達が払っている自己負担が3割とは別の話なのでしょうか?
的外れな質問でしたら申し訳ありません。
厚労省資料(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1005-4c.pdf)の3ページを見る限り、後期高齢者医療制度全体の財源構成として「患者負担(1割/3割)を除いた残りの部分が、後期高齢者の保険料(約1割)、支援(約4割)、公費(約5割)」の理解であっていると思います。なので、テキストの記載が正しくないですね。
そもそものももじろうさんの疑問(「患者負担1割が3割になることがあるなら残りはどのように分配するのか」)はこちらの資料(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000363221.pdf)で解消されるかと思います。現役並み所得者の財源に限って見ると公費は入っておらず、その分を支援で賄っているとのことです。
かかった医療費=①自己負担額+②後期高齢者の保険料+③現役世代からの支援+④公費
↑が正しい内訳です。
①は現役並みの所得があれば3割。それ以外は1割。
残りの額について②〜④が発生してきます。②:③:④=1:4:5です。
②はたくさん年金をもらっている人たちは「特別徴収」という形で年金から天引き。そうでない人たちは「普通徴収」という形で納付書または口座振替で納める。
③は現役世代が納めている保険料を用いて補填します。
④は財源を税金とし、国:都道府県:市町村=4:1:1で負担します。
スーパー分かりやすく具体化します。
現役並みの所得がない80歳のおじいさんが病院にかかって、1万円の医療費が発生したとしましょう。
この1万円を負担する割合をブレイクダウンしていきます。
・まず本人が1,000円を病院の窓口で会計支払いします。
・次の900円は後期高齢者の保険料から支払われます。このおじいさん本人も一部負担していますし、ほかの75歳以上のおじいさんおばあさんも年金から天引きされたり、自分で郵便局に行って納めたり、と払っているプール金です。
・次の3,600円は若い世代が納めている保険料が使われます。これは例えば25歳の研修医が病棟業務からゲットした給料から毎月天引きされていたりするものです。
・最後の4,500円は公費でまかなわれます。これは例えば20歳の医学部生がセブンイレブンで買い物をしたときに支払った消費税や、40歳の開業医が支払っている所得税などからなる財源です。
つまりは現役世代並の所得がない後期高齢者は、実質的に19%(1,900円)を自身で負担していることになります。ここは僕自身誤解していたところです。きっちり1,000円分しか払っていないと思っていました。訂正するとともに、ご指摘くださった さんださん に感謝します!
にしてもうまくできた仕組みだと思いませんか?
1万円というと大金ですが、その場で支払う金額が1,000円だけだとすんなり払ってしまいます。
が、実は年金等から900円に該当する分は支払っているわけですし、コンビニで買物をして消費税を払えば4,500円に該当する分は払っているわけです。
さらには、(この制度が始まる前からもともと後期高齢者だった人たちは除きますが)若い頃に、3,600円に該当する分は払ってきたのです。
ですので、(多少の不平等こそあれ)結局は19%どころか全額を自分が負担しているんです。金はなにもないところから自然発生しませんから。しかし、その場限りの支払いは1,000円なので、なんかオトクな感じがでますし、気軽に病院に行ける。(個人的感想ですが)魅せ方がうますぎると思いました。
が、この気軽さが仇となって、医療経済を圧迫したり、医師の過剰労働につながったりしてしまうこともあるんですよね。難しい......。
ありがとうございます!!
よく分かりました!
ログインするとコメントを投稿することができます。