下の問題で、深部反射は下肢で両側亢進。Babinski徴候が右で陽性との記載がありましたが、なぜ深部反射が両側で亢進するのに、Babinski 徴候は右だけ陽性、と一致しないのか疑問に思いました。
(84D-13)
36 歳の女性。約 3 か月前、左眼視野の左半分が見えず、1 週後、左眼視力が低下したが約 4 週間で軽 快した。入院の約 1 か月前、臍部付近にピリピリした痛みがあり、その 3、4 日後から右下肢の脱力と左 下肢の感覚鈍麻が起こり入院した。入院時、視力は右 1.2、左 1.0。視野および眼底所見に著変はない。右 下肢の筋力は低下しているが、その他の上下肢の筋力は正常。深部反射は上肢で正常、下肢で両側亢進。 Babinski 徴候が右で陽性。臍部付近の右側に帯状の異常感覚があり、左側のそれ以下のレベルで痛覚と温 度覚とが低下している。協調運動は正常。入院後、右下肢の脱力と左下肢の感覚障害は次第に軽快した。
この患者が示した所見はどれか。2つ選べ。
a 球後視神経炎
b 同名半盲
c 交代性片麻痺
d Wallenberg 症候群
e Brown-Séquard 症候群
両方とも上位運動ニューロン障害時にみられますが、厳密には責任部位が異なります。そのため、障害のされ方により不一致がみられることは臨床上はよくあります。
ただ、仰せのような疑問を受験生が抱えやすいので、親切心から近年の問題は両者ともに統一して書いてくれてることが多いです。今回の問題は80回台ということもあり、リアル臨床風景を問題おこししたのでしょう。
ありがとうございます。
ログインするとコメントを投稿することができます。