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動脈硬化と拡張期血圧について

初めて投稿します。

循環器の勉強をしていて、動脈硬化では収縮期血圧が上がり、拡張期血圧は下がるという記載を目にしました。

動脈硬化になると、プラークなどにより血管の内腔が狭まることで、収縮期血圧が上がることは理解できます。

しかし、なぜ拡張期血圧では下がる傾向にあるのかが調べても分かりません。

不慣れな者ですが、どなたか回答していただけると大変ありがたいです。宜しくお願い致します。

回答4件

  • 左心室の収縮によって血液が大動脈へと送り出されますが、このときに末梢の細動脈が血流に対して抵抗するため、拍出された血液の一部は一気に末梢へ到達することはできず、大動脈やその他の太い動脈の一時的拡張によって大血管内に留まります。このとき大動脈などの大きな血管は拡張し、心臓の収縮によって生じた(運動)エネルギーの一部は、この進展した血管壁に(位置)エネルギーとして蓄えられます。
    心臓の収縮が完了し、大動脈圧が左室圧より高くなると大動脈弁が閉鎖し、拡張していた大血管は弾性力により再び元のサイズへ戻ろうと収縮します。この大血管の復元の際に、血管壁の伸展によって蓄えられていた(位置)エネルギーは、再び血流という(運動)エネルギーの形に変換されて放出されます。
    まずは、この弾性作用によって送り出される血流のエネルギーが拡張期血圧として捉えることができるという理論が前提です。
    それでは、動脈硬化の場合を考えてみましょう。
    動脈硬化では血管は硬くなっているため、拡張しにくくなります。したがって、血管壁の進展は降下していない血管壁と比べて伸びなくなります。つまり、動脈硬化のある状態では血管壁にエネルギーが蓄えられない状態なので、(運動)エネルギーの貯蔵能力は低下します。その結果、蓄えられたエネルギーが少ないため、拡張期の血圧も低くなります。
    血圧の原則を補足しておきますと、収縮期血圧・拡張期血圧の双方に作用する因子が、①循環血液量、②血液粘稠度、③末梢血管抵抗の3つです。
    さらに、個々に作用する因子として、前述の通り、拡張期血圧を規定する因子は大血管のポンプ機能大動脈弁による抵抗です(大動脈弁による抵抗に関してはARにて拡張期血圧が低下することを考えていただければわかるかと思います。)。収縮期血圧を規定する因子は、心収縮力(心室の筋力)と大血管が収容できるエネルギー(中心抵抗)となります。

    • 横からすみません!こぽんちです!
      分かりやすい説明で感動しました!
      ただ、大血管が復元する際の弾性力による血流のエネルギーを拡張期圧として捉えるというのが上手く理解できなかったです(教科書等でもその事は前提として書かれていましたが)。もし差し支えなければそのメカニズムを説明して頂けると幸いです。

    • 血流のエネルギーという言葉で語弊が生じたかもしれませんが、このサイトに書いてある内容と同じことを指したつもりです。
      https://www.igaku.co.jp/pdf/1505_heart-02.pdf
      今回の話の中では運動エネルギーや位置エネルギーという言葉を使用したので、エネルギーという表現を用いてみました。
      「エネルギー密度と圧力が同じ単位で測定されるので、お互いを比較することができる」という物理学の話があるので、ここで話した弾性力低下によるエネルギーの低下がそのまま拡張期血圧の低下とイコールであるという考えは誤ったものではないと思います。
      物理を専門にしてる方からするとエネルギーの考え方が拙いと思われてしまうかもしれませんが…苦笑

  • お疲れ様です!コポンチです!
    返信ありがとうございます!
    恥ずかしながら拡張期圧の定義をしっかり把握しておらず、的外れな質問をしてしまいましたが、ゆきやまさんが貼ってくれたサイトを見て理解することができました。解決しました。
    ありがとうございました!

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