いつも大変お世話になってます。PCOSの治療と第一度無月経についてです。
PCOSの病態は、視床下部トラブルによりGnRHが上昇してしまうところから始まると理解しているのですが、クロミフェンを投与するのはなぜですか?
講義内で、PCOSには第1度無月経も第2度無月経も両方ありうるとお話しされていたとおもうのですが、
第1度無月経のときは、視床下部の障害によりそもそもGnRHが↓していることによりエストロゲン↓もするため、
クロミフェンを投与することで視床下部にフィードバックがかかり、GnRH分泌が亢進、LH、FSHの分泌が↑する、と理解しています。
なので、第一度無月経の時にクロミフェンを投与するのも納得できます。
しかしPCOSは、排卵が起こらず無月経になることはわかるのですが、
GnRHが↑から病態がスタートしていて、エストロゲンも出ているし、第一度無月経になる場合もわかりません。。
よってクロミフェンもなぜ投与するんだろうと思います。
もし理解が間違っていたらそこも教えていただきたいです。
お忙しい中もうしわけないのですが、宜しくお願いいたします。
>>GnRHが↑から病態がスタートしていて、エストロゲンも出ているし、第一度無月経になる場合もわかりません。。
よってクロミフェンもなぜ投与するんだろうと思います
この文章がよく分からなかったのですが、GnRHの分泌が原因であり、それによりLH・FSHの分泌エストロゲンの分泌、f/bによるFSHの分泌低下という流れが正常な機構なのではないか?ということでしょうか?
返答ありがとうございます。
そもそも第一度無月経の病態としては、エストロゲンのみ分泌されており、ゲスターゲン試験にて消退出血をきたす無月経の事を指します。その原因として視床下部の障害も一つにあります。今回はエストロゲンのみが分泌されている無月経ですので、第一度無月経に当たります。
PCOSの病態として問題となるのは、消退出血が起こらずエストロゲンのみが分泌され続けていることにあります。これにより子宮内膜増殖症・子宮内膜癌のリスクの増大、破綻出血の増加が起こります。
また、白膜の肥厚により排卵が起こらず、FSH値が高値にならないため卵胞が成熟しないことによって妊娠が出来ないということが問題となります。
治療において考えるのは、排卵を起こして消退出血を起こし適度なエストロゲン分泌に戻すことです。今回はLH高値(それによりアンドロゲン高値⇒白膜の肥厚)、FSH正常値(卵胞成熟障害)というホルモンバランスの崩れが問題であるのでLH、FSHの値を正常に戻す必要があります。その一つがクロミフェン投与で、抗エストロゲン作用を有し基本的に月経5日目から5日間開始し内服終了時から5-12日後にLHサージ・排卵を起こします。クロミフェンによる抗エストロゲン作用によりGnRHパルスが亢進し、LH、FSHのホルモンバランスが元に戻り排卵や消退出血が起きるようになります。
耐糖能異常や肥満といった背景により原因不明にGnRHが上昇しLH、FSHのバランスが異常になっていることが原因であり、そのホルモンバランスを治すことが治療になるので、ただ単純にGnRHの上昇が原因の場合とは別の話ととらえると分かりやすいと思います。
また、ホルモンバランスを元に戻すならゴナドトロピン療法で人工的なLH、FSHを投与すればいいかとも感じますが、同じ量の投与を続けると過排卵になる可能性があるので、挙児希望のある場合はクロミフェン内服が1stとなっています。人口LH・FSHよりも、体内でホルモンバランスを整えたほうがメリットが大きいのだと思います。
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