2型アレルギーの機序について

2019テキストではⅡ型アレルギーは細胞傷害性 T 細胞(Tc)を中心として起こるとなっていますが、自分が調べた範囲ではTcではなくNK細胞やMφのADCC活性により起こるとなっています。Ⅱ型は細胞障害型とも呼ばれますが、細胞傷害性T細胞は関与していないのではないでしょうか?

回答4件

  • https://shimizuderm.com/textbook03/pdf/1-12.pdf
     
    ↑「細胞表面に存在する抗原に対して抗体が産生され、それに補体や細胞傷害性T細胞などが作用することで細胞が傷害されるものである」

    • お忙しい中ご返信ありがとうございます。
      出版元に問い合わせてまたご報告させていただきます。

    • 出版元から返信が届きました。

      以下引用
      「お問い合わせの件ですが,実は『あたらしい皮膚科学』の著者である清水宏先生は本年2月に他界されました.
      本来ならば,ドクターというお立場の先生にご回答をお願いすべきですが,ここ1年ほどは編集部内での解決を目指したいと考えており,そのご返事となりますことお許しください.

      早速ですが,少し資料が古いのですが,手元にありました医学書院の『標準皮膚科学 第9版』(2010年)(2020年に出た11版が最新版です)を見ますと添付の図 https://i.imgur.com/uj9a6RS.jpg があり,この教科書での「II型アレルギー反応」は以下のように解説されておりました.

      「この反応は細胞毒素(あるいは細胞溶解型)アレルギー反応とも呼ばれ,抗体(IgG,IgM),補体,好中球,マクロファージ,NK細胞などが関与する反応である.つまり抗原を発現している細胞(細菌)に抗体が結合し,それが補体の活性化を生じ,それにより生じたアナフィラトキシンやさまざまな遊走因子などが好中球やマクロファージを局所に集め,それにより細胞が傷害される反応である.細胞(細菌)への抗体の結合が補体を活性化し,それにより細胞に孔が開けられ傷害される場合と,補体の活性化がさらに好中球の遊走・活性化をもたらし,それにより細胞の傷害が起こる場合と,Fcレセプターを介してマクロファージやNK細胞が細胞を障害する場合とがある.」

      厚労省などによる(信頼のおけそうな)インターネット上の解説でも,「細胞傷害性T細胞」は出てこず,ただ,「Cooms & Gell」「allergy」などのキーワードで画像検索をすると,海外文献の模式図で「NK cell」「Macrophage」の代わりに「Cytotoxic T cell」といった記載は見かけます.どのあたりで混乱したかは不明でございますが,(本名)様のご指摘どおりではないかと編集部では考えております.

      本書第4版の改訂を行う際には,本記載を検討させていただきます.」引用終わり

      リンク先の論文や総説でも同様の記述が見られました。
      https://www.sciencedirect.com/topics/medicine-and-dentistry/type-ii-hypersensitivity

      今一度medu4の方でもご検討よろしくお願いいたします。

    • わざわざ出版社に問い合わせていただいたのですね。
      お手数をおかけしました。
      清水宏先生が他界された、というのも驚きでした。ご冥福をお祈りします。
       
      本件はmedu4の教材も次年度の改訂リストに含めさせてもらいますね。
      尽力いただき、ありがとうございました。

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