教科書では僧帽弁狭窄症では弁の石灰化によりI音が亢進すると書かれていますが、ASではII音の奇異性分裂が主に書かれておりII音の亢進についての記述がありません。
僧帽弁狭窄症の場合は石灰化によるものの頻度が高いため亢進がメインで書かれ、ASでは二尖弁によるものなどをはじめ石灰化によらないものも多いためII音の亢進について触れられていないだけで、ASでも石灰化による場合はII音は亢進すると考えていいのでしょうか。どなたかご意見頂けたら幸いです。
よろしくお願いします。
回答失礼します。
ASはⅡ音は減弱する様です。
ただ全身高血圧や肺高血圧ではⅡ音亢進します。
上下の違いは弁の大動脈側にある血液量ではないかと思います。ASでは圧は高くなるものの左心室から放出できる大動脈側の血液量が少ないため弁を押す力が弱まりⅡ音が減弱し、全身高血圧や肺高血圧などは全身やその他の原因で血液量が多くなっていることで起こる高血圧であるために上から大動脈弁(肺高血圧なら肺動脈弁)を押さえつける力が強いためⅡ音が亢進すると考えています。
https://tsunepi.hatenablog.com/entry/2016/01/10/030000?amp=1
が参考になると思います。
また石灰化しているにもかかわらずMSは音が亢進する理由は、僧帽弁は左心室の収縮によっても弁を閉じることができることと、僧帽弁自体がが重力と左心房の収縮によって十分に開くことができるため、石灰化していても大動脈弁狭窄に比べて弁の開きと閉じ方が血流量以外にも依存していることが考えられると思います。
ただ少し細々しているので僧帽弁は弁が石灰化しているのでⅠ音亢進、大動脈弁狭窄症は左心室からだせる血液量が少ないことで弁を押せないためⅡ音は弱いくらいの考えでいいと思います。
あまり自信はないので補足等ございましたらよろしくお願いします。
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