血液/ガス分配係数が大きいほど溶けやすいというのが、式から読み取ることができません。どのように解釈したらよいのでしょうか。
また、心拍出量が多いほど吸入麻酔薬による導入が早くなるのも、理由がわかる方はお願いします。
回答失礼致します。
血液/ガス分配係数は空気中から血中に溶ける量と血中から空気中にでる量が平衡に達するときの
血中に含まれる量と空気中の量の比を表してます。
このことから血液/ガス分配係数が大きければ平衡状態に達するためにより多く血中に溶ける必要があるので早く血中に取り込まれます。
ただ余談ですが血液から脳に分布される際は逆の現象がおこります。具体的には血液から脂肪(実質空気中とこの場合考えてください)への移動となるので平衡時に必要な空気中の麻酔量は少なくなり、そしてそれは脳に反応する麻酔量が少ないこととなりますので脳に対して効き目が悪いこととなります。…①
以上から血液/ガス分配係数が小さい方が麻酔の効き目はよいです。
「心拍出量が多いほど吸入麻酔薬による導入が早くなる」ことに関してお答えしたいと思います。
先ほど平衡時の溶ける量について書きましたが血液量が大きければその分溶ける量も大きくなります。つまり平衡時の比は同じでもそのときの量は増えているということです。
(血液/ガス分配係数が2の麻酔薬あったとして、血中に溶けている量を2とした場合ガスの量は1ですが血中に溶けている量を4とした場合ガスとして存在している量は2となります。)
ここで余談でお話した①について思い出してみたください。
肺から血液への移動の次のステップは血液から脳でした。つまり血液/ガス分配係数が2として血中に溶ける割合を2とすると脳で拡散する量は1でしたが、これが4になれば脳で拡散する量は2となります。
以上をまとめると血液量が多いとその分溶ける麻酔量も多くなり、脳への拡散量が多くなるので導入が早くなります。
一つ参考になれば幸いです。
大変わかりやすい回答をありがとうございます。
助かりました。
ありがとうございます。
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