あたらしい精神科2019のchap1.4では,
「抗精神病薬の副作用はドパミン低下によるものつまりパーキンソン病で出るようなものと考えれば良い」と説明があり,
その中に消化器症状があります.
a,b,eは全て消化器症状に含むと思うのですが,
この問題では,「消化器症状の全てがドパミンと関係するわけではない」ということなんでしょうか?
ただ,そう考えると,107H6(https://medu4.com/107H6)で,「便秘の原因としてドパミン作動薬がある」という知識が聞かれており,
そこと併せて考えると
「便秘はドパミンと関係するが,嘔吐や口渇はドパミンとは関係ない」という理解が正しいのでしょうか?
国試でも見かける薬であるメトクロプラミド市販名プリンペランで考えてみてはいかがでしょうか?
これはドパミン拮抗薬であり消化管運動を促進することで便秘を改善します。
つまり、消化の蠕動運動に関してはドパミンは便秘を引き起こすのです。(脳内でドパミンが出ていないパーキンソンではドパミンがないのに便秘を引き起こすという点は勘違いのないようにすべきですが)
さらにこの問題に関して言えば、統合失調症に対する抗ドパミン、という枕詞まで付いています。つまり脳内でのドパミンの働きに拮抗するもの→パーキンソン病を考えよ、という事なのかと思います。
なんとハロペリドールには便秘の副作用についかして下痢の副作用も添付文書には書かれています。
話がごちゃごちゃしちゃいましたが、ドパミンがどこに作用するとどんな作用が出るのか、ほずみ先生もどこかの解説に書いていた、病変の主座を意識した考え方をしてみるとスッキリするかもです!
機序はともかく、制吐剤としてドパミンD2受容体遮断薬があるので、嘔吐はむしろ起きないでしょう。
口渇に関しては、渇中枢を刺激するのは浸透圧なので(高張性脱水とかで口渇強いですよね)、個人的に消化器症状と言ってよいものではない気がします。
ドパミン系と関わる消化器症状は、胃の運動と嘔吐関連の2つかなと。
この問題は、ドパミン受容体拮抗薬の副作用で有名な3つを覚えているかどうかだけだと思います。
①錐体外路症状:ジストニア→アカシジア→パーキンソニズム→ジスキネシア
②高プロラクチン血症:無月経・乳汁漏出症候群
③悪性症候群
kenteaさん、akaiさん
お二方ともありがとうございました。
おかげでスッキリしました。
今後ともよろしくお願いします。
私もタクサンさんと同じく疑問に思ったので調べてみました。
消化管運動改善薬も抗精神病薬も同じドーパミン拮抗作用があるにもかかわらず、なぜ前者は便秘を改善し後者は便秘を誘発するのか謎でした。
抗精神病薬の副作用としてParkinsonismがあり、それ自体やそれに対する抗コリン薬では便秘はありますがそれも私個人的には腑に落ちませんでした。
調べてみたら以下のサイトが見つかりました。
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/psychiatry-medicine/major-tranquilizer/about-major-tranquilizer/#:~:text=%E6%8A%97%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%97%85%E8%96%AC%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%81%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%B3,%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E7%97%87%E7%8A%B6%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
以下抜粋
③便秘・口渇(抗コリン作用)
抗精神病薬は、アセチルコリンという物質が働くムスカリン受容体をブロックしてしまうことがあります。アセチルコリンの働きを邪魔するので、抗コリン作用と呼ばれます。
どうやら抗精神病薬の抗コリン作用が便秘の原因となっているようです。
よって今回の問題では抗ドーパミン作用という枕があるので、もし仮に便秘が選択肢にあっても〇にならないのではないかと私は考えます。
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