換気血流不均等(VQミスマッチ)によって開大します。
無気肺で潰れている肺の領域にも肺動脈の血流は届くので、その領域を通過して全身に回る血液はO2を受け入れられないこととなります。
他の、無気肺でない肺の領域を通過し、正常にO2を受け入れた血液と、合流してから全身に回るわけなので:
全身に回る血液(動脈血)は、O2を受け入れられてない血液と、正常にO2を受け入れた血液の、混合になります。
つまり、AaDO2[ PaO2(動脈血中のO2分圧)と PAO2(肺胞内に存在しているO2の分圧)の差 ]は開大します。
空気血流「不均衡」ですから、血流が足りない場合も、空気が足りない場合も該当します。
血流が足りないために、空気血流不均衡になった場合を、(生理学的)死腔効果と呼び、COPDや肺血栓塞栓症が原因に挙げられます。気管などの解剖学的な死腔ではないものの、血流不足により、換気の役割を果たせない、実質上の死腔が存在してしまうという意味だと思います。
一方、空気が足りないために、空気血流不均衡になってしまう場合をシャント効果と呼び、無気肺などが原因に挙げられます。
シャントと言えば、先天性心疾患や肺動静脈瘻などのシャントを思い浮かべてしまいがちですが、ここでの「シャント効果」とは異なるようですので、注意して下さい。
COPDで血流が不足することに関しては、複数の肺胞が壊れて、全てが一体となってしまい、全体としての表面積が減少し、肺胞にくる血管の量が減ってしまうためだと思われます。ぶどうの房いっぱいを包む袋をイメージし、この大きな袋の表面積よりも、小さな各々のぶどうの表面積の合計の方が大きいことを考えればわかりやすいと思います。
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