117回解説講座にて、「医療関連死は病死でないもの」と穂澄先生は解説されていますが、「あたらしい公衆衛生」の医療関連死の記載(16.4)では、「病死も異常死も含まれる」と記載されております。
どちらが正しいのでしょうか。
ざっと調べてみたのですが、「医療関連死」という用語の定義は厚労省など、"おカタイ" 公式系のページには見当たりませんね。google検索してもトップには「診療関連死」が出てきます。
市販の117回解説書でも「医療関連死を診療関連死と読み替えて答えよ」的な記載となっているようです。
117F6 に加え、111E21 と過去問で2回登場している言葉なので、無下にはできないのですが、「医療関連死」の定義は統一されたものがないのかもしれません。
↑の2問ではともに「診療過程の予期しない死」として用いられている印象です。
一方の「診療関連死」は「医療機関での診療中に生じた死で、通常の病死以外のもの」という確固たる定義が存在します。
ここでいう「通常の」という日本語がミソに思えて、病死も全部ではなく、含むこともある、というなんともお役所的な表現になっています。
「医療関連死」も日本語の文字通り捉えれば、医療と関連して病死に至るという広義の解釈もできるでしょうし(テキストの記載)、過去問 117F6 と 111E21 を解くために「診療過程の予期しない死」と通常の病死を含まないと狭義に捉えることも可能(講義内の解説)。
テキストと講義内で不統一なのが若干気持ち悪いものの、冒頭で示したような白黒つけるような定義が見当たらない以上、どちらを採用するか、も微妙なところなので、117回全問解説講座のお知らせ欄に本フォーラムへのリンクを付しておきます。
まとめるに、
・過去問 117F6 と 111E21 を解く上では、「診療過程の予期しない死」として捉えるべき。
・「医療関連死」は広義には病死を含むが、狭義には病死を含まない(公式な定義は存在せず)。
的なところでしょうか。
過去問 117F6 と 111E21 を解けば、パターンはもう分かると思うので、国試本番で出題されたら「病死」といった言葉にとらわれず、出題者の意図した選択肢を選んでいただけますと幸いです。
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