解答を選ぶ上では直接影響がある内容ではないのですが、復習をしていて設問文の「輸液を見直す」の部分が気になったので質問させてください。
本症例の患者さんでは、低血糖発作が起きたことからまずは3号液(維持液)にて入院加療との治療方針となり、
その後下垂体前葉機能低下症がより疑わしいとなったことで、輸液見直し+副腎皮質ステロイド投与に変更となったという理解であっておりますでしょうか?
また、見直した後の輸液組成はNa濃度の高い生理食塩水なのか、もしくは橋中心髄鞘崩壊を防ぐため別の輸液を用いるものなのか
どなたかご存知でしたら教えてください。どうぞよろしくお願い致します。
研修医1年目の立場から失礼します
①「低血糖発作が起きたことからまずは3号液(維持液)にて入院加療との治療方針となり…」
日本語の問題かもしれませんが、低血糖だから維持液、ってことではないです。ご存知かもしれませんが、ざっくり言うと維持液はご飯を食べることができない入院患者さんがしばらくの間、水分、電解質、糖分を保つための輸液です。ひどい脱水状態にある人や、電解質が狂ってる人などを除いて、病状が安定してる患者さんの多くは維持液を使っています。
この問題の患者は来院時の所見や採血で脱水もなく、電解質も異常がなかったので維持液だったのでしょう。
絶食なのは意識障害→誤嚥→窒息や肺炎
などが考えられるからでしょうかね(推測ですが)
② 「下垂体前葉機能低下症がより疑わしいとなったことで、輸液見直し+副腎皮質ステロイド投与に変更となった」
輸液見直しは下垂体機能低下症を疑ったから、というよりは低Na の状態だからでしょう。
3号液は生理食塩水と比べるとかなりNaが少ないので、問題文のような患者さんには使いません。
③ 「また、見直した後の輸液組成はNa濃度の高い生理食塩水なのか、もしくは橋中心髄鞘崩壊を防ぐため別の輸液を用いるものなのか」
低Na血症の治療は基本は生理食塩水の輸液で行います。軽症では塩をご飯と一緒に処方して食べてもらったり、重症例では3%Na輸液を点滴して治療します。(生理食塩水は0.9%ですよね)
この問題では意識障害が出ているので重症例です。
橋中心髄鞘崩壊は急激にNaを補正した時に起こりますので、何時間かおきに採血してNaが上がりすぎていないかチェックしながら点滴のスピードを調整します。24時間以内で10mEq程度が許容の最高補正スピードですが、重症例ではその限りでもないようです。
おそらくこの患者さんは3%Naで血中Naの補正をするでしょう。頻回に採血が必要なため、Aラインを挿入してICUに入室になると思われます。
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輸液を見直すとともに、行うべき対応はどれか。