6ヶ月前から肺がんの化学治療を行なっている患者が、低ナトリウム・血漿浸透圧の低下を伴う全身倦怠感と食思不振を主訴に、SIADHの疑いで、その治療を問う問題です。
解答は水分制限でした。しかし、肺癌の化学治療でシスプラチンを使う可能性がある以上、腎機能を悪化させる恐れのある対応は不適切と考えるのですが、いかがでしょうか。
問題から与えられた情報が限定的であるため、medu4の解説でも、食塩負荷が△となっているのですが、主訴も低ナトリウム血症に起因するものだと考えられるので、主訴を軽減しつつ、原疾患への対応(今回の場合化学治療の継続)を行うのがファーストであると考えました。
僕自身、このような思考プロセスで食塩負荷を解答にしたため、なんとなく判然としない部分があるのですが、hzm先生のおっしゃる解答の多数決的な考え方が当てはまるのか、考え方に是正箇所があるのか、意見等あればお聞かせください。
ADH不適合分泌症候群〈SIADH〉は変な問題散見されますね。
判然としない、という印象は妥当だと思います。
110D45でも意識障害患者に水制限、という訳のわからん出題ありますし、まぁ国試的に水制限押し、という理解でよいのだと思います。総合的アプローチでgo。
Na120はmedical emergencyです。ただちに補正を開始する必要があり、場合によってはICUです。
正確には体液のvolume評価をしてから治療の方針が決まりますが、SIADHならまずは水制限をしてください。
抗癌剤うんぬんと言ってる場合ではありません。
それでも抗癌剤を継続する場合は腎機能を見ながら、抗癌剤の容量を減量すれば良いだけです。
SIADHと同じように尿中のナトリウムが増加する疾患に、高齢者鉱質コルチコイド反応性低Na血症があります。こちらの治療には生理食塩水輸液が第一選択となり、SIADHの水制限と比較して覚えておくと良さそうです。
SIADHは脱水をきたさない疾患ですが、高齢者鉱質コルチコイド反応性低Na血症では脱水をきたすためだと思います。
長い名前で難しそうに聞こえますが、高齢者鉱質コルチコイド反応性低Na血症は、高齢者になるとレニンアルドステロン系の分泌能力が低下することで生じる病態です。113C23参照して下さい。国試範囲外だとは思いますが、病態を知ると、十分起こりそうだなと自然に頭に入ってくるのではと思います。
国試にもし出た時は、頸静脈の虚脱など脱水所見の記載があるはずですので、SIADHに見えるけれど、脱水所見があってなんか違うと思った際は、この高齢者鉱質コルチコイド反応性低Na血症や、副腎不全などを鑑別に入れるといいのではと思いました。
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