講義内解説では、a.b.d.eがNASHの病理組織像として正しく、cのロゼット形成が明らかに違うという内容であり、
medu4.comの解説でも、a.b.d.eは『非アルコール性脂肪性肝炎の病理所見として代表的』とのことですが、
テキストの網掛けでは、2-7アルコール性肝障害においては、a.繊維化、b.肝細胞の膨化、d炎症細胞浸潤が書かれておりますが、
2-6NASHの部分には病理像の記載がありません。
2-7アルコール性肝障害と2-6NASHでは、病理像に関して、アルコール硝子体以外は同様の所見が生じるという認識で良いでしょうか。
結論から申し上げますと、国家試験受験レベルにおいてアルコール性肝障害とNASHの病理組織像を区別する必要はないと考えます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/101/11/101_11_1188/_article/-char/ja/
上記記事の1,2ページ目から、NASHの病理所見は概して以下のようなものであると分かります。
・アルコール性肝線維症の線維化パターンに中等度以上の大滴性の脂肪化が加わったもの
・実質の軽度から中等度までの壊死・炎症所見
・肝細胞の風船様膨化, 核空胞化, 脂肪肉芽腫, 胞体内凝集傾向
・約30%にマロリー体
(太字は、本問の選択肢と、ご質問のアルコール硝子体に付しておきました。)
ご質問にありました通り、アルコール性肝障害とNASHの病理組織像はほぼ同じであり、炎症所見の強さや、その他の所見の出現度合いが異なるようです。
従って
①実際に病理所見がほぼ同じ
②本問はアルコール性肝障害とNASHの病理組織像を同じものと考えてしまっても正解できる
の2点から、国家試験受験レベルにおいてアルコール性肝障害とNASHの病理組織像を区別する必要はないと考えます。
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非アルコール性脂肪性肝炎の病理組織像で誤っているのはどれか。