解決済 111A5 09.肝胆膵

NASHとアルコール性肝障害の病理所見

講義内解説では、a.b.d.eがNASHの病理組織像として正しく、cのロゼット形成が明らかに違うという内容であり、
medu4.comの解説でも、a.b.d.eは『非アルコール性脂肪性肝炎の病理所見として代表的』とのことですが、
テキストの網掛けでは、2-7アルコール性肝障害においては、a.繊維化、b.肝細胞の膨化、d炎症細胞浸潤が書かれておりますが、
2-6NASHの部分には病理像の記載がありません。
2-7アルコール性肝障害と2-6NASHでは、病理像に関して、アルコール硝子体以外は同様の所見が生じるという認識で良いでしょうか。

回答2件

  • 結論から申し上げますと、国家試験受験レベルにおいてアルコール性肝障害とNASHの病理組織像を区別する必要はないと考えます。

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/101/11/101_11_1188/_article/-char/ja/
    上記記事の1,2ページ目から、NASHの病理所見は概して以下のようなものであると分かります。

    ・アルコール性肝線維症の線維化パターンに中等度以上の大滴性の脂肪化が加わったもの
    ・実質の軽度から中等度までの壊死・炎症所見
    ・肝細胞の風船様膨化, 核空胞化, 脂肪肉芽腫, 胞体内凝集傾向
    ・約30%にマロリー体
    (太字は、本問の選択肢と、ご質問のアルコール硝子体に付しておきました。)

    ご質問にありました通り、アルコール性肝障害とNASHの病理組織像はほぼ同じであり、炎症所見の強さや、その他の所見の出現度合いが異なるようです。

    従って
    ①実際に病理所見がほぼ同じ
    ②本問はアルコール性肝障害とNASHの病理組織像を同じものと考えてしまっても正解できる
    の2点から、国家試験受験レベルにおいてアルコール性肝障害とNASHの病理組織像を区別する必要はないと考えます。

    • 素晴らしく、的確で分かりやすい解説を有難う御座います。
      お陰様で、3ヶ月間モヤモヤしていたものが取り除かれました!
      大変に、感謝致します。

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  • 問題参照 111A5

    非アルコール性脂肪性肝炎の病理組織像で誤っているのはどれか。

    • a 線維化
    • b 肝細胞の膨化
    • c ロゼット形成
    • d 肝細胞の脂肪変性
    • e 小葉内への炎症細胞浸潤
  • 関連トピック

    なし