多発性骨髄腫でβ2ミクログロブリンが上昇する機序が少し理解しきれなかったので質問させていただきました
講義中では、β2ミクログロブリンが全ての血球表面に発現しているため上昇するというふうに説明されていましたが、それなら他の疾患でも上がりそうと思ってしまったのですが、なぜ多発性骨髄腫でβ2ミクリグロブリンが上昇するのか、その点わかりやすく説明していただけると嬉しいです。
多発性骨髄腫の症状で覚えておくべき4症状にC.R.A.Bがあります。高Ca血症、腎障害、貧血、骨病変です。
この腎障害に着目しましょう。
血中β2-ミクログロブリンはそもそも腎臓の糸球体でこしとられますが、近位尿細管で再吸収されます。腎障害によってこの機構が破綻する(糸球体でβ2-ミクログロブリンを回収できなくなる)と、血中β2-ミクログロブリンが上昇するように思います。
回答ありがとうございます。
CRABと、近位尿細管の話は理解していたつもりだったのですが…
腎障害で近位尿細管での再吸収が低下するだけなら、腎障害の起こる疾患全般でこの指標が使われていいと思うのですが、なぜ多発性骨髄腫において病期分類に使われるくらい重要な指標となっているのでしょうか?
何か疾患特異性があるのかなと思ったんですが、その辺りどうでしょうか
血中で増えるのは腫瘍自体がβ2ミクログロブリンを産生するからです。多発性骨髄腫は形質細胞、すなわちリンパ球の腫瘍です。β2ミクログロブリンは主にリンパ球に存在するタンパクです。だから、リンパ球が増える多発性骨髄腫では血中のβ2ミクログロブリンが上がります。
追記になりますが、間質性腎炎などの近位尿細管が障害された場合は、再吸収できなくなるので尿中のβ2ミクログロブリンが増えます。血中か尿中かは国試でも問われるところなので書いておきました。
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