解決済 110D52 09.肝胆膵

急性膵炎で血圧が保たれているのに輸液するのはなぜでしょうか

この問題で血圧146/96と高めなのに生理食塩水を輸液しても大丈夫なのでしょうか。
これから血管内脱水になるだろうからあらかじめ輸液しとくということなのでしょうか?
また敗血症性ショックでも思ったのですが、血管透過性亢進している状況で、循環血漿量を増やしたら、
ARDSがひどくなったりはしないのでしょうか?

問題を解くときは、急性膵炎=生食!みたいな感じで解いているので疑問に思いました

回答2件

  • まず、急性膵炎の患者さんを見当たら何をしますか?
    表現は幼稚になりますが、イメージとしては
    急性膵炎で一番やばいのは、消化酵素がバンバン出てしまい、体を溶かしてしまうことにあります。
    そこで輸液を行うことで、体全体にまわった消化酵素の濃度を薄めることができます。
    (輸液についてのみお応えさせていただきます。)
    なので、輸液をしぶってはいけません。
    Volumeを増やして問題が出れば、利尿薬等で出してしまえば循環します。

    ご質問頂いている内容は、循環動態を保つことに重きを置いていらっしゃいます。
    急性膵炎とは別の次元のお話だと感じました。

    他の追加治療プロセスは、Medu4の急性膵炎のページと詳しい治療法はガイドラインを参照してください☺️

  • 急性膵炎の初期病態ではサードスペースへの血漿の喪失、細静脈の拡張があるとされ、脱水の生化学的指標としてHct≧44%、BUN≧20mg/dL、Crの上昇が重症かと相関するとされております。また、実臨床においては生食においては大量輸液時に発生する高クロール性代謝性アシドーシスを防ぐために乳酸リンゲル液や酢酸リンゲル液を使用する場面が多いかと存じます。
    仰る通りに現時点では循環動態は保たれているように見えますが、SIRSに照らし合わせると(呼吸数が20回とちょうど境になるので微妙ではありますが、)2-3点となり、今後悪化する可能性は十分にあるかと思います。
    この問題中にあるものでは厚労省の重症度判定基準を正確に評価できないため今後の重症化を評価することが出来ず予測に及ばないと考えられますが、予後悪化因子が多いようであれば尚の事輸液療法は躊躇ってはいけないものです。
    具体的にどのような初期輸液をすべきかについてですが、原則として①ショック、脱水時には150-600ml/hの急速輸液②脱水でない場合は130-150ml/hで行うとされておりますが、心不全、腎不全などにより体液バランスに慎重でなければならないベースが存在する場合には厳密な循環血液量評価と速度の決定が必要です。

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  • 問題参照 110D52

    55歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。生来健康であったが、3日前、飲酒後に心窩部痛があった。一旦軽快したが、昨夜、飲酒後に再び心窩部痛と背部痛が出現し、増悪したため受診した。意識は清明。身長165cm、体重58kg。体温37.2℃。脈拍96/分、整。血圧146/96mmHg。呼吸数20/分。心窩部に圧痛を認めるが反跳痛や筋性防御を認めない。腸蠕動は消失している。血液所見:赤血球520万、Hb 14.2g/dL、Ht 45%、白血球12,800、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.5g/dL、総ビリルビン1.1mg/dL、直接ビリルビン0.6mg/dL、ALT 60U/L、LD 240U/L(基準176〜353)、アミラーゼ1,504U/L(基準37〜160)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 1.5mg/dL。腹部造影CTを別に示す。
    鎮痛薬投与に続いて行うべき治療はどれか。
    • a 膵切除術
    • b 腹膜灌流
    • c 大量輸液
    • d 血液浄化療法
    • e 内視鏡的胆管ドレナージ
  • 関連トピック

    なし