この問題で血圧146/96と高めなのに生理食塩水を輸液しても大丈夫なのでしょうか。
これから血管内脱水になるだろうからあらかじめ輸液しとくということなのでしょうか?
また敗血症性ショックでも思ったのですが、血管透過性亢進している状況で、循環血漿量を増やしたら、
ARDSがひどくなったりはしないのでしょうか?
問題を解くときは、急性膵炎=生食!みたいな感じで解いているので疑問に思いました
まず、急性膵炎の患者さんを見当たら何をしますか?
表現は幼稚になりますが、イメージとしては
急性膵炎で一番やばいのは、消化酵素がバンバン出てしまい、体を溶かしてしまうことにあります。
そこで輸液を行うことで、体全体にまわった消化酵素の濃度を薄めることができます。
(輸液についてのみお応えさせていただきます。)
なので、輸液をしぶってはいけません。
Volumeを増やして問題が出れば、利尿薬等で出してしまえば循環します。
ご質問頂いている内容は、循環動態を保つことに重きを置いていらっしゃいます。
急性膵炎とは別の次元のお話だと感じました。
他の追加治療プロセスは、Medu4の急性膵炎のページと詳しい治療法はガイドラインを参照してください☺️
急性膵炎の初期病態ではサードスペースへの血漿の喪失、細静脈の拡張があるとされ、脱水の生化学的指標としてHct≧44%、BUN≧20mg/dL、Crの上昇が重症かと相関するとされております。また、実臨床においては生食においては大量輸液時に発生する高クロール性代謝性アシドーシスを防ぐために乳酸リンゲル液や酢酸リンゲル液を使用する場面が多いかと存じます。
仰る通りに現時点では循環動態は保たれているように見えますが、SIRSに照らし合わせると(呼吸数が20回とちょうど境になるので微妙ではありますが、)2-3点となり、今後悪化する可能性は十分にあるかと思います。
この問題中にあるものでは厚労省の重症度判定基準を正確に評価できないため今後の重症化を評価することが出来ず予測に及ばないと考えられますが、予後悪化因子が多いようであれば尚の事輸液療法は躊躇ってはいけないものです。
具体的にどのような初期輸液をすべきかについてですが、原則として①ショック、脱水時には150-600ml/hの急速輸液②脱水でない場合は130-150ml/hで行うとされておりますが、心不全、腎不全などにより体液バランスに慎重でなければならないベースが存在する場合には厳密な循環血液量評価と速度の決定が必要です。
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