bの富栄養化でプランクトンが増えて溶存酸素の低下につながるというのは理解できるのですが、
cの地球温暖化でも溶存酸素の低下につながるのではないかと考えました。
高校化学でも習うように、気体は圧力が高いほど、また水温が低いほど溶媒に溶けやすいという性質があります。
暖かいほうが炭酸飲料の炭酸が抜けやすいことからも感じとれるように、非常に身近な現象です。
地球温暖化により水温が上昇し溶存酸素が低下する、というのはおかしな理屈ではないと思うのです。
むしろ富栄養化→プランクトンの増加→酸素の減少、という間接的なものよりも、
温暖化→水温上昇→溶存酸素の低下、とはるかに直接的な機序で溶存酸素が低下すると考えられます。
なぜbのみが正答で、cは誤答とされるのでしょうか。
私の考え方ですが,「溶存酸素量」という用語は一般に水質汚濁について論じるときに用いる用語なのでa, c,d,eは論外で実質b一択かなと考えました.
確かに質問者様のおっしゃるとおり,温暖化→水温上昇→溶存酸素の低下は考えられるかもしれませんが,その場合「温暖化により地球上の全水温が確実に上昇する」と言い切れなければ成立しない議論ではないでしょうか?
そういったマクロ的な視点よりもミクロ的に,「富栄養化→プランクトン増加→溶存酸素の低下」という流れの方がどういった状況でも確実に成立する議論なので正解として適切であるとは考えられないでしょうか?
ご回答ありがとうございます。
>温暖化→水温上昇→溶存酸素の低下は考えられるかもしれませんが,その場合「温暖化により地球上の全水温が確実に上昇する」と言い切れなければ成立しない議論ではないでしょうか?
何故「全」及び「確実」と言い切る必要があるのでしょうか。多くの場合で見られれば選択肢としては妥当と思います。
でなければ他の問題においても、「〇〇病で見られる症状を選べ」という問題すら成立しなくなるのではないかと考えます。
またそれでしたら選択肢bにおいても、「地球上の全水源にプランクトンが間違いなく存在して、それら全ての水源において、富栄養になった暁には酸素を消費する生活様式のプランクトンが必ず過剰に増殖する」と言い切れなければ同様にその議論も成立しないのではないかと思います。
当方にはいずれも言い切るに足る論も証拠もありません故、やはりbとcの選択肢に適不適の差を見出すことができません。
興味深かったので調べてみました。かいつまんで説明したいと思います。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rikusui1931/61/1/61_1_65/_pdf
https://www.env.go.jp/council/09water/y090-38/mat5-2.pdf
温暖化と溶存酸素の低下は関りがあるようです。
その機序として、まず温暖化が進むと水温が上がります。すると、特に冬季では深水層と表水層の混合が促され、深層水にある底泥から栄養塩が供給されます。これはまさに富栄養化です。この富栄養化に、水温上昇のために植物プランクトンの種組成が変化すること、結氷しないことで光透過量が増加することなどが重なると、植物プランクトンが増え、溶存酸素の低下が起こります。
つまり、地球温暖化→富栄養化→溶存酸素の低下という流れですので、cを正解とすると自ずとbも正解になるため、ここではbを選ばざるを得ないと考えます。他にも地球温暖化による影響はあるみたいですが(成層形成による湖底の溶存酸素低下、全循環不全もしくはその遅延など)、影響を考えていくとどこかで富栄養化と関りがでてくるようで、やはりbを差し置いてcが正解とはならないように思います。
また、気体の溶解度の低下は確かに直接的ではありますが、平均気温の上昇が0.73℃/100年ということを考えると、生態系に影響を与えた結果としての溶存酸素の低下を考える方が適当なのかなと感じました。
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