2019年あたらしい基礎医学12回目の講義で、「原始線条は腹側にあり陥入から生じた腔が原腸である」ととれるような説明がありました。しかし、調べたところ原始線条は背側にあって胚内内胚葉(将来の内胚葉)と胚内中胚葉(将来の中胚葉)の形成、つまり3つの胚葉組織を作り出す運動である「原腸形成」に関わるのみで、原始線条から陥入してできるのは原腸ではなく胚内内胚葉や胚内中胚葉であり、原始線条は腹側ではなく背側にあると書かれているものばかりです。たしかに講義では図で示しているだけで、原始線条が腹側にあることについては明記されていないのですが、陥入してできる腔が原腸であるとの説明や図を見た印象から、最初の文のように説明しているように思えます。
長くなったので以上をまとめますと、原始線条から陥入が起こって生じるのは原腸ではなく、胚内内胚葉や胚内中胚葉であるのではないのでしょうかということと、原始線条は腹側ではなく背側にあるのではないのでしょうかという質問です。
おそらく「原腸形成」という用語から、本来の意味である「3つの胚葉組織(外胚葉、中胚葉、内胚葉)を形成する」という意味ではなく、「原腸が形成されること」と勘違いされているのではないかと思います。「原腸が形成される」のは「原腸陥入」であり、これは「原腸形成」や神経誘導(神経管や神経堤細胞の形成)の後に起こることなのではないでしょうか。
大変長くなってしまい恐縮ではございますが、基礎医学や発生学に詳しい方、medu4を運営していらっしゃる方、たまたまこの事項について詳しい方などがいらっしゃいましたら、ご回答よろしくお願いいたします。
次期改訂時、監修者に再度チェックしてもらうため、そのタイミングでこちらも見てもらいますね。
少しおまたせしてしまうかもしれませんが、回答を頂き次第、こちらにも反映します!
おまたせしました、監修者から回答をいただきましたが、仰せの内容はすべて正しいとのことでした。
「原腸」と「原始腸管」とは異なるものなのですね。原腸には「腸」とついているので、消化管の話なのかとこれまでずっと思っていました! 思い込みって怖いです。
ご指摘に従い、2020基礎医学を修正したいと思います。
ご報告、ありがとうございました。
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