伝染性膿痂疹とSSSSの違いについて

2020皮膚科の授業5回目で、SSSSは黄色ブドウ球菌によって引き起こされ水疱を形成する疾患であり、水疱を形成するからニコルスキー現象が陽性になるとほずみ先生がおっしゃっていたので、そのひとつ前で学修した伝染性膿痂疹も黄色ブドウ球菌が原因の水疱形成をする疾患であるためニコルスキー現象が陽性になると思い、調べてみたところニコルスキー現象は陰性であるということであったのですが伝染性膿痂疹ではなぜニコルスキー現象が陰性になるのでしょうか。水疱を作るからニコルスキー現象陽性という考え方の例外と考えたほうがよろしいのでしょうか。疑問に思ったので教えていただきたいです。

回答2件

  • Nikolsky現象は「正常に見える皮膚に」圧力をかけると容易に剥離するという所見です。
    SSSSと水疱性膿痂疹はともに黄ブ菌感染かつ、菌が産生する表皮剥脱毒素(ET)によるデスモグレイン1の切断が病因ですが、これらの大きな違いとして全身性か局所性かというものがあります。つまり

    ・SSSS⇨ETが血流にのって全身の皮膚へ行くもの。正常に見える皮膚でもETは作用しており、ゆえにNikolsky陽性になる。水疱内には細菌はいない。
    ・水疱性膿痂疹⇨局所感染で、「とびひ」と言われるように他の場所に飛ぶ。正常に見える皮膚はあくまで正常。水疱内に細菌がいる。

    という違いです。ですから正常に見える皮膚でも、SSSSではETが作用していて水疱性膿痂疹ではETは作用していません。ゆえにSSSSではNikolsky陽性、水疱性膿痂疹では陰性です。

    もちろんETが血中に流れることで局所性から全身性(水疱性膿痂疹からSSSS)へ進展することもありえます。その場合はNikolskyは陰性から陽性に変わります。

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