心不全増悪を示唆する所見として、吸気性喘鳴(stridor)がバツとなっております。
解説では、もし肺水腫だったら呼気性喘鳴となるはずとおっしゃっているのですが、呼吸器テキストP10では、肺水腫の場合、吸気終末に音が聴かれるとなっています。
どう解釈すればよいでしょうか?
動画内では上気道と下気道の対比で説明しています。
上気道狭窄であれば吸気性喘鳴、下気道狭窄であれば呼気性喘鳴をみます。
つまり、「肺水腫というのは末梢気道のトラブルであって、吸気性喘鳴を聞くはずないでしょ!」という意図から解説しています。
肺水腫のcoarse cracklesは仰せの通り、吸気終末に聴取する音です。
が、肺水腫の水の成分が蒸散し、末梢気腔を狭窄せしめた場合、喘鳴が出ることはあります(気管支喘息と似た感じですね)。その場合はむろん呼気性喘鳴です。
まとめますと、「肺水腫 = 吸気終末」と暗記してしまうのではなく、病態を考え、かつ応用性のある導き方をされるのがベストかと考えます。
いつも勉強させていただいております。
横から申し訳ありませんが、肺水腫や肺炎のcracklesは必ずしも吸気終末に限定されないと理解しています。
fine cracklesは基本的に吸気終末でいいと思いますが、coarse cracklesが吸気のどのphaseに聞こえるかは肺水腫や肺炎の程度を反映していたように理解しています。
coarse crackleですが、気管支に液体膜用物が形成され、それが呼吸によって弾ける音を指すものです
そして、主にですが吸気時の気管支拡張に液体膜用物がついていけず、弾けます
なので、coarse crackleは吸気相〜呼気相の初期までに聞かれやすいです
もちろん、肺水腫や肺炎の程度によっては、気管や気管支に溜まる水が多く、呼気、吸気の区別がつかないことがあるかもしれませんが、coarse crackleで最初からその病態を思い浮かべるよりも、基本的な方を覚えておいた方が応用が効くと思います
みなさまありがとうございます。
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