肺炎によって肺胞障害が生じ、肺放気を十分に満たせずにガス交換ができない状態というのは、Ⅰ型呼吸不全のうち換気血流不均衡に属すると考えていたのですが、これは肺内シャントともいえるということなのでしょうか。
よろしくお願い致します。
まず基本の確認ですが,
「換気血流不均衡」とは,「肺胞内に空気が来ていても,肺胞に血流がない」あるいは「血流があっても,肺胞内に空気が来ていない」状態を指します.
そして「肺内シャント」とは,肺動脈由来の血流が肺胞で酸素を受け取らないで肺静脈へ行ってしまう異常な血流交通」のことを言います.
さて,質問者様の質問は,「肺炎による肺胞障害は,換気血流不均衡なのか肺内シャントなのか?」つまり「肺炎による肺胞障害は,呼吸不全のうちどの方に属するのか?」ということだという理解のもとで回答させていただきます.
結論から申しますと,
この問題の肺のトラブルのメインとなっているのは肺炎ですので,換気血流不均衡に該当します.
肺胞と血流の間でうまく空気のやりとりができない状態になっているということです.
この問題の選択肢cにおける「肺内シャントの減少」について述べると,「そもそも肺内シャントはおそらくこの患者に存在しないので議論できない」と述べることしかできません.
肺内シャントは肺動静脈瘻や先天性心疾患などの血流系の異常により生じます.
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この患者にみられる可能性が高いのはどれか。