このサイトに掲載のない問題で恐縮ですが、よければご意見ください。
(96A26-A)
家族性大腸ポリポーシス患者の注腸造影写真です。
Aについてはポリープの多発の所見に加えて自分には横行結腸左側〜下行結腸にかけてUCのような鉛管像らしき所見も見えます。
選択肢にも b. 副腎皮質ステロイド薬注腸 とあるのでUCを意識しての誤答肢のようにも思えます。
Bの写真でpolyposisであることは判るので解答には至るのですが…
FAP(もしくはポリープが多発する病態)では結腸のハウストラ消失が見られることもあるのでしょうか?
所見として多発性ポリープが見られるのは間違いないですし、鉛管状というのを優位に取るのはには早計な気がします。確かに上行結腸よりは減ってるように見えますが、完全な消失とは言えないと思います。96I11のエックス線と比較すれば差は瞭然かと思われます。
CiNiiで検索かけた限りではFAPについてハウストラ消失について言及のある論文は見つかりませんでした。
PubMedなどで検索したらもしかしたら、、、そこまでの英語力と余裕がなかったです、お力になれずすみません。
以前は頓珍漢な返信をしてしまい申し訳ありませんでした。
最初の穂澄先生によるガイドラインの通り、ルールに反している部分はそこだけ気をつけて頂ければ、とてもすばらしい着眼点だなぁと思いました。
また、頓珍漢なことを言っていたら申し訳ないのですが…
本症例では「家族歴」があることから、UCよりはFAPを選びたいですよね。
また、UCのステロイド投与経路は直腸炎型、S状結腸までの炎症を除いては、「注腸」ではなく「経口、経静脈的」に投与すると思いますので、ステロイド注腸は何れにしても除外選択肢となりそうですね。
それと、便の回数が1日2行と、UCらしくないなぁといった印象も受けました。
しかし、UCの偽ポリポーシスとFAPのポリポーシスの鑑別のポイントは私も知りたいです(本症例画像を見る限り、腸管壁の色調が赤くなく、血管透見性は保たれているということがUCではなくFAPとする根拠の一つとなりそうだとは考えてみました)。
FAPの病理肉眼切除標本はネットで画像検索するば見れますが、腸管壁はポリープに埋め尽くされて半月ヒダは消失していて、ハウストラもよく分からなくなっているものも少なくない気がします。果たしてこれを「鉛管様」と形容して良いのかは分かりませんが…。
家族歴を見逃し、ステロイドの投与経路を知らずに、「鉛管様」に見えなくもないという事実に飛びついてしまったら、bも選びかねない聊か危ない問題だと私は感じました。
僕もとてもよい着眼点だと思いました! さっそく2枚を並べてみます。1つ目が家族性大腸ポリポーシス〈FAP〉としての出題、2つ目が潰瘍性大腸炎〈UC〉としての出題。
(96A26-A)(96I11-A)
うーむ、似ている。
特に1つ目の画像(FAP)は左側臥位にして撮影されているにもかかわらず、縦向きで問題出題時には提示されていました。
穿った見方すぎるかもしれませんが、もしやUCの画像をFAPとして提示し、「似てるからまぁいっかー」ってことで内視鏡画像(↑では示していませんが、Bとして提示されています)を提示して誤魔化した。なーんてことも?
95回〜99回は問題冊子が回収されていましたから、出題者としても心の甘えがあったようで、変な問題が100回以降と比べると有意に多いです。あまり99回以前の問題に深くまで突っ込むのは得策でないかもしれません。
が、もしかしたら僕の調べ方が足りないだけでFAPで鉛管がみられることもあるのかもしれません。あるいはそもそも1つ目の画像を専門家はハウストラ消失とは呼ばないのかもしれません。
注腸造影に詳しいDr.おられたら、コメントお待ちしてます!
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