解決済 111D31 09.肝胆膵

HBVの指標に関して

いつもお世話になっております。
抗癌化学療法や免疫抑制剤を行う前に検査するB型肝炎の指標に関して1つわからない点があったので質問させてください。
HBsは抗原と抗体の両方、HBcは抗体の検査を行うとのことでしたが(HBs抗体とHBc抗体は治療後も体内に残るため検査を行うということには納得がいくのですが)、この時にHBs抗原はなぜ検査するのでしょうか。
感染から三ヶ月以内であるというケースを想定して検査を行うということでしょうか?

回答2件

  • HBs抗原は全例スクリーニングするべきとガイドライン上定められているから。
    …というのが答えですが、理解の補助に↓

    結論としては、現在のHBVの活動状況を知るためです。

    HBVは一度感染して治癒してもウイルスのゲノム情報が体内に潜伏し続けます。(水痘→帯状疱疹と似たような関係です)
    ですので、ご質問の想定のように最近感染した場合も、過去に感染していま再活性しているような場合にもHBs抗原は上昇します。

    抗原:現在のウイルス活動状況
    ・HBsは産生量が多い(感染リガンド・エンベロープの構造であるだけでなく、分泌もされている) ので調べるのに感度いい

    抗体:既感染の情報、中和抗体の有無の情報
    ・HBs抗体はウイルスの活動を抑える抗体だから重要なので調べる。
    ・ただし、HBs抗体が出来ない体質の人もいる and/or ワクチンでも陽性になるから、既感染の指標としてHBcも調べる

    全ての抗原・抗体とDNA調べれば話が早く、そのような運用している施設もあるかと思いますが、医療費の問題を鑑みると順番としては
    「まず HBs抗原 (現在の活動)・HBs抗体 (中和抗体)・HBc抗体(既感染情報) → いずれか検出でHBV-DNA (PCRで確実に診断) 」とざっくり考えて良いかと思います。

    参考:免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン(改訂版)
    https://www.jsh.or.jp/files/uploads/R2-HBV%20Ver2.2.pdf

    • スクリーニングとしてまずHBs抗原を調べ、そのあと抗体を調べるということですね。
      とても納得が行きました、ご教授いただきありがとうございました。

コメントを投稿する

ログインするとコメントを投稿することができます。

  • 問題参照 111D31

    55歳の女性。関節リウマチの治療のため来院した。半年前から両側の手指、手関節および膝関節の痛みを自覚していた。自宅近くの医療機関で活動性の高い関節リウマチと診断され、治療のため紹介されて受診した。肝機能に異常を認めない。HBs抗原とHBs抗体は陰性である。抗リウマチ薬を投与することとした。

    投与前に追加して、まず測定すべきなのはどれか。

    • a HBc抗原
    • b HBc抗体
    • c HBe抗原
    • d HBe抗体
    • e HBV-DNA
  • 関連トピック

    なし