小児科の輸液の項にて、下痢による代謝性アシドーシスの際には乳酸を輸液に含める。(体内で代謝されてアルカリになるとの説明)との記載がありましたが、例えば低酸素などで乳酸が体内で生成されたときはアシドーシスになります。
この違いはなぜ生まれるのでしょうか。体内で生成された乳酸は代謝されてアルカリになることはないのでしょうか。
http://www.jseptic.com/journal/115.pdf ←30/39ページ
https://www.jikeimasuika.jp/icu_st/161108.pdf ←21/61ページ
↑まずは上2つの資料の該当ページを参照。乳酸自体が酸なわけではなく、乳酸上昇によりStrong Ion Difference〈SID〉が減少することがアシドーシスの原因なわけです。
大半の乳酸は肝で代謝され、HCO3-になります。よって輸液で乳酸を補うと代謝性アルカローシスの原因となります。が、例えば敗血症でピンチのときには肝で処理しきれないほどの乳酸が発生するため、↑のSID減少により代謝性アシドーシスとなります。
↓の資料も面白いです。
http://himeji.jrc.or.jp/category/diagnosis/naika/kanzo/pdf/20171026.pdf
穂積先生
いつもお世話になっております。ご回答ありがとうございます。
HCO3-は乳酸代謝の結果として↑になればアルカローシス、Lac-↑による電気的中性を保つために↓になればアシドーシスということですね。
とても納得しました!stewart理論についても初めて知ったので勉強になりました。もともとAGと酸塩基平衡の話は苦手だったので良い機会になりました。
また、乳酸は悪者なだけではなく、栄養としても注目されてるというのも面白いですね。スポーツ好きなので興味を持ちました。
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