僭越ながら問題を解いていて気になってしまったので質問させていただきます。
この問題のポイントとして「急性前立腺炎による白血球の増加」が考えられるため、それの逆の変化の減少が起こっているaという解答は一応は納得することはできます。
しかし、本問の場合、発熱、脈拍、感染源の存在の観点から敗血症(昔の問題ということもあり、現在は使われなくなった敗血症の基準を考えると)が起こっていることが考えられます。また、現病歴に悪寒を覚えていることからも敗血症の特徴的な症状を捉えているはずです。
そうなると、白血球数の数も「12000以上ないし4000以下」という敗血症の基準もあるように消費性に白血球の低下からaの白血球数3000という検査値も十分考えられる数値であり、また、尿閉を合併していることから尿うっ滞における再吸収増加によるBUNの増加もありうるため、
BUN/Crの上昇も十分に考えられ、考えにくいものとしてb(もっと増加しているはず)という選択肢が挙げられると思うのですが、
みなさまはどのようにお考えでしょうか。皆さまの考えを聞かせて下さい。よろしくお願いいたします。
仰る通り、感染症の存在下で、SIRSの診断項目を2項目(体温、脈拍)を満たしているので、(従来の)敗血症の定義は満たすことになります。
あくまでイメージですが、白血球が4000を下回るケースでは全身で激しすぎる炎症が起こっている場合と考えています。
しかし今回は、前立腺という小さな臓器で局所的に起こっている感染症なので、白血球は増加する可能性が高いと思います。
なお本症例では頻尿や排尿困難を認めていますが、尿閉には至っていません。(尿は出ているので)
BPHの背景もあるため、仮に今後病態が悪化し尿閉をきたした場合、腎後性腎不全によるBUN上昇は起こり得ます。
ただ現時点でBUN/Crが上昇する可能性は一概には言えないと思います。
腎後性腎不全が末期まで進行した場合は、腎性腎不全と同じ状況になり、BUN/Crはむしろ低下に傾くと考えます。
ご回答ありがとうございます!
なるほど、言われてみれば確かに前立腺という、局所的な感染の時点ではそこまで激しくは起こりにくそうですね。
よくある、尿路感染からの敗血症のような病態とゴッチャになってしまっていました。
本格的に怖いのはここから尿路感染に発展した時でしょうか…
確かにご指摘の通り、細かく尿閉(膀胱に尿が貯まっているも、排泄できない状態)とは言うことはできないですね、猛省します。
もちろん、解説にもあるように重度の尿閉にもならない限り腎性腎不全への発展によるBUN、Crが共に上昇するといような状態にまではなりにくい、とは思います。
ですが、とある授業でBPHを背景に排尿困難・尿閉が原因により、尿うっ滞によりBUNの再吸収が上昇し、BUN上昇という話を聞いていたので、むしろ、軽度の尿線狭小化であれば、
脱水時(腎前性)と同様にして尿路うっ滞時(腎後性)にしてもBUN/Crが20を超えてしまうと思いこんでしまっていました。
確かにこれも一概には言えなそうですね…
調べてみると実際、BUN/Cr比という概念も腎不全においてでは
腎後性をエコーなどで検索→腎前性と腎性の鑑別にBUN/Cr比を使用
となるらしく尿うっ滞、腎後性ではBUN/Cr比といった概念はあまり有用ではなさそうです。
所見・情報の少ない問題の連問では、特に問題に沿うだけで良く、変に矢印を繋いでいくと間違えてしまうという事あるので注意しろ!という教訓的な問題なのかもしれませんね…
また、一つ勉強になりました、ありがとうございます!
ログインするとコメントを投稿することができます。