滑車神経の支配を受ける上斜筋の作用について,眼球を内下方へ向けるとの記載がありますが,これは上斜筋の眼科的検査方法の説明であり,実質的な作用としては外下方へ向けるものではないでしょうか。グレイの解剖学原著第3版の日本語訳版,777ページを参考にしました。
ご教授お願いします。
https://www.ocular.net/jiten/images/p25b
↑が参考になりそうですね。ありがとうございます。次年度以降の講義に反映してまいります。
2020テキスト編纂でいろいろ調べたので、その後の追記。
上斜筋そのものの機能を列挙すると眼球の①外転、②下転、③内旋となります。
が、このうち①外転については、上斜筋のついている位置・角度に由来するわずかな影響しか無いです。
また、②下転作用は正面を向いたときには弱く、他の筋との作用的に内転位で強く効果が出てきます。つまり上斜筋は眼を内下方へ転移させる、で正しいのです。上斜筋に内転自体のパワーはありませんが、内転したときに下転パワーが強く出るため、①外転の影響よりもバランス的に内下方視の方が上回ります。
なお、③内旋は正面視のときから常にパワーを発揮している作用です。
つまりまとめると、上斜筋が眼球を外転させる力は弱く、眼球内旋と内下方視がメインの働き、となります。
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