いつもお世話になっております。本問題の貧血の鑑別についてです。
慢性炎症性の貧血ではヘプシジン上昇しているため鉄の取り込みが低下することで、血清鉄が低下することは理解できました。しかし、同時に鉄が取り込まれないのであれば、フェリチンも低下することは考えられませんでしょうか。講義を受講している際には疑問に思わなかったのですが、実際に問題を解いてみると納得ができなくなりました。
炎症性サイトカインによって肝臓でヘプシジンが過剰産生され,十二指腸・空腸上部からの鉄の吸収および網内系マクロファージからの鉄の再吸収を司るフェロポルチンを止めることで,鉄の利用障害をきたすのが慢性炎症に伴う貧血〈ACD〉です.
例えば,重症細菌感染症においては細菌が鉄を利用し増殖してしまうので,ヘプシジンを産生して血清鉄を低下させます.一種の生体防御反応です.つまり,鉄が血管内の量は少なく,細胞の中に無駄に鉄がたまっている状態(鉄の囲い込み)が生じています.
結果として血清鉄の低下と貯蔵鉄(フェリチン)の増加が起こります.その結果,骨髄への鉄の供給が減少するため赤血球産生が低下します.
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鉄欠乏性貧血と慢性疾患に伴う貧血との鑑別に有用なのはどれか。2つ選べ。