118E43

次の文を読み、以下の問いに答えよ。
23歳の女性。最近、普段と様子が違うことを心配した母親に伴われて精神科を受診した。
現病歴:6か月前から気分が沈み、自宅近くの内科診療所を受診し、抗うつ薬が処方された。1か月前から遅くまで働いた後に友人と外出し、帰宅後は明け方まで電話をするようになった。毎日出社していたが、取引先とトラブルを繰り返すようになった。抗うつ薬は処方されたとおりに服用していた。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:両親と3人暮らし。大学卒業後、会社に就職している。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。多弁で気分が高揚している。身長160cm、体重53kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧114/66mmHg。呼吸数15/分。SpO2 99%(room air)。神経診察で異常を認めない。
精神科受診時にこの患者にみられる症状はどれか。
幻視
離人症
聴覚過敏
抑うつ気分
睡眠欲求の減少

解答: e

118E43の解説

【ポイント】
6か月前から気分が沈んでいたのは鬱を、1か月前からのエピソードは躁を、それぞれ示唆する。「多弁で気分が高揚」も躁状態を考えさせる記載である。双極性障害の診断。設問文にて「精神科受診時に」という指示があるため、躁状態でみられる症状を選ぼう。

【選択肢考察】
a せん妄やLewy小体型認知症でみられる。
b 108G24 にて、うつ病患者で離人症がみられている。が、躁状態でみられる症状ではない。
c 自閉症スペクトラム障害〈ASD〉などでみられる。
d 文字通り、うつ状態でみられる。
e 正しい。躁状態にみられやすい症状である。

正答率:100%

テーマ:躁状態にある双極性障害の患者にみられる症状

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