117F37

35歳の女性。急性骨髄性白血病のため入院中である。寛解導入療法開始後18日目に発熱を認めた。発熱以外の症状はない。体温38.2℃。脈拍112/分、整。血圧102/68mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜は貧血様である。身体所見にその他の異常を認めない。血液所見:赤血球288万、Hb 8.8g/dL、Ht 26%、網赤血球0.1%、白血球500(好中球1%、好酸球0%、好塩基球0%、単球0%、リンパ球99%)、血小板2.1万。
この時点での抗菌薬選択に際し、最も考慮すべき微生物はどれか。
Clostridium perfringens
Enterococcus faecalis
Haemophilus influenzae
Moraxella catarrhalis
Pseudomonas aeruginosa

解答: e

117F37の解説

【プロセス】
①急性骨髄性白血病のため入院中
②寛解導入療法開始後
③発熱
④眼瞼結膜は貧血様
⑤赤血球288万、Hb 8.8g/dL、Ht 26%、網赤血球0.1%
⑥白血球500(リンパ球99%)
⑦血小板2.1万
☞①に対する②の副作用として、感染症(③)と貧血(④)がみられている。⑤〜⑦から汎血球減少を呈していること、特に⑥から好中球数が優位に低下していることが分かる。発熱性好中球減少症〈FN〉の診断。FNにおける感染症は細菌が原因となりやすく、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌、緑膿菌、大腸菌が代表的な起炎菌である。

【選択肢考察】
a ウェルシュ菌。
b 腸球菌。
c インフルエンザ桿菌。
d モラクセラ・カタラーリス。
e 正しい。緑膿菌である。

正答率:92%

テーマ:発熱性好中球減少症において考慮すべき微生物

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