117F35

52歳の男性。貧血を指摘されたことを主訴に来院した。3日前に少量の下血があり、自宅近くの医療機関で採血を行ったところ貧血を認め、紹介受診した。心房細動、不安障害、脳動脈瘤および慢性便秘症のため通院しており、抗凝固薬、抗不安薬および緩下薬が処方されている。緩下薬の服用で、排便は2日に1回、普通便である。23歳時に虫垂切除術の既往がある。脳動脈瘤の経過観察のため頭部MRAが予定されている。身長172cm、体重62kg。体温36.1℃。脈拍96/分、不整。血圧126/78mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部は平坦で、圧痛はない。肝・脾を触知しない。腸雑音に異常を認めない。上部消化管内視鏡検査と下部消化管内視鏡検査で異常を認めず、出血源の精査のためカプセル内視鏡を行うこととした。
この患者でカプセル内視鏡を行う際に最も注意が必要なのはどれか。
排便の頻度
腹部手術の既往
抗凝固薬休薬の可否
抗不安薬の内服状況
頭部MRAの検査予定日

解答: e

117F35の解説

【プロセス】
カプセル内視鏡を行う際に最も注意が必要な情報を選ぶ。

【選択肢考察】
a 慢性便秘症があるため、飲み込んだカプセルが排出されにくい可能性はある。が、特にカプセル内視鏡が実施困難となるわけではない。
b 腹部手術に起因する腸管の狭窄があった場合、カプセルが通過しにくい可能性はある。が、事前の評価をしっかり行うことで対処可能。特にカプセル内視鏡が実施困難となるわけではない。
c カプセル内視鏡では生検を行うことはなく、その他の出血が予想されることもない。そのため、抗凝固薬休薬の可否は関係ない。
d 不安障害やそれに対する内服は特にカプセル内視鏡の支障とならない。
e 正しい。カプセルは磁気成分を含むため、検査中はMRI(MRA)の実施が禁忌となる。

正答率:57%

テーマ:カプセル内視鏡施行時に注意が必要なこと

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