117C53

58歳の女性。頭痛を主訴に来院した。暑い日の午前、仕事中に少しめまいを感じ、頭痛も出現したため受診した。作業中に大量に汗をかいた。最近、家族の介護が忙しく、寝不足が続いていた。仕事は空調のない自宅の作業場で、部屋を閉め切って縫製の作業をしている。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴と飲酒歴はない。身長155cm、体重70kg。BMI 29.1。体温36.4℃。身体診察と神経診察とに異常を認めない。
この患者に対する説明として適切なのはどれか。
「今後は縫製作業を控えましょう」
「肥満と症状は関係ないでしょう」
「寝不足と症状は関係ないでしょう」
「作業場の室温を下げるようにしましょう」
「のどが渇いていなければ水分を摂る必要はないでしょう」

解答: d

117C53の解説

【プロセス】
①暑い日の午前、仕事中に少しめまいを感じ、頭痛も出現
②作業中に大量に汗をかいた
③最近、寝不足が続いていた
④仕事は空調のない作業場を閉め切って作業
☞②〜④の条件下で①が発生している。熱中症が考えやすい。

【選択肢考察】
a 縫製作業自体の問題ではなく、空調のない部屋を締め切っているといった環境が問題。
b 肥満者は体内で発生した熱を外部へ放出しにくく、汗をかきやすいといった熱中症リスクとなる。
c 寝不足は熱中症のみならず、様々な不調のリスクとなる。
d 正しい。空調を工夫するなどし、作業場の室温を下げることが再発予防に有効。
e 例えのどが渇いていなくても、こまめな水分摂取が望ましい。

正答率:100%

テーマ:熱中症患者に対する説明

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