116C21

我が国における近年の疾病や疾病リスクについて正しいのはどれか。

脳血管疾患の患者数は年々増加している。
過剰飲酒の割合は男性低所得層で最も高い。
悪性新生物(全部位)年齢階級別死亡率は60代で増加傾向が見られる。
40歳未満女性の部位別悪性新生物では子宮頸がんが最も罹患率が高い。
糖尿病罹患は遺伝や生活習慣が主な要因で、社会的環境の関与は少ない。

解答: d

116C21の解説

【選択肢考察】
a 脳血管疾患の患者数は減少傾向。
b 2018年の『国民健康・栄養調査』では所得層を①〜200万円、②200〜400万円、③400〜600万円、④600万円〜、の4つに分け、さらに男女別(つまり4×2=8つ)で比較している。その結果、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は④の男性で最多であった(ちなみに次点は③の女性)。ゆえに「男性低所得者で最も高い」としている本選択肢は正しくない。が、「低所得」「高所得」という表現は相対的なものであり、例えばYouTuberなどでは年収が億単位の者もいると聞く。④600万円〜という大雑把なくくりでは必ずしも「所得が多いほど飲酒量が増える」とまでは言い切れないことに注意されたい。
c 悪性新生物(全部位)年齢階級別死亡率は全体的に低下傾向。
d △。40歳未満女性の部位別悪性新生物では乳がん罹患率が最多。しかしながら他選択肢が明らかに誤りな以上、不本意ながら本選択肢を正答とせざるを得ない。苦し紛れだが、上皮内がん(一般的には子宮頸がんとは別カウントされる)も含めると考えれば、子宮頸がん>乳がんとなり本選択肢は正しい記載となる。微妙な問題であり、特にこだわりのある受験生以外、スルーしてよい。
e 所得や教育といった、社会的環境要因も糖尿病罹患には大きく関与する。

正答率:45%

テーマ:我が国における近年の疾病や疾患リスクについて

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