115E49

次の文を読み、以下の問いに答えよ。
68歳の男性。ふらつき感を主訴に来院した。
現病歴:本日起床時から、頭がふらふらする感じを自覚したため受診した。
既往歴:2年前に自宅近くの診療所で糖尿病と診断されたが、その後通院していない。
生活歴:長男夫婦と同居している。偏食が激しく、近所で買って来た菓子などで不規則な食事をし、しばしば居酒屋で大量飲酒している。
現 症:意識は清明。身長165cm、体重70kg。体温36.2℃。脈拍104/分、整。血圧104/64mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。眼振を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢の筋力低下を認めず、四肢・体幹の運動失調を認めない。起立と歩行に異常を認めないが両側アキレス腱の腱反射が消失している。
検査所見:来院時、簡易血糖測定器で測定した血糖は350mg/dLであった。
患者は「まだ糖尿病なのですかね」と話した。

医師の適切な応答はどれか。

「このまま放っておくと失明しますよ」
「直ちにインスリンによる治療が必要です」
「わかっているのになぜ放っておいたのですか」
「糖尿病についてどのようにご理解されていますか」
「医師の言うことを守れないのであれば通院する必要はありません」

解答: d

115E49の解説

【ポイント】
糖尿病患者への対応を問う、必修らしい出題。糖尿病は一度診断されたら、原則として完治する病態ではないのだが、本患者の発言からするにそうした理解に乏しいようだ。が、頭ごなしに叱りつけても誰も得をしない。「傾聴と共感」という必修セオリーに基づいて対応しよう。

【選択肢考察】
a 脅迫的な発言であり、好ましくない。
b 簡易血糖測定器による血糖値しか出ておらず、現時点では情報に乏しい。そのため、直ちにインスリン治療が必要かどうかは断言できない。
c 叱責する発言であり、好ましくない。
d 正しい。本人の理解について語ってもらい、傾聴する姿勢が求められる。
e 診療を放棄するような発言であり、好ましくない。

正答率:99%

テーマ:【長文1/2】コントロールの悪い糖尿病患者への医師の応答

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